レストランなどのレジにおいてある領収書発行機
領収書の種類
中国では領収書を必ず貰えと中国人はみんな言う。小さなものを買ったときにも貰わなければいけないのか私には分からない。考えると、それは教育の成果で、全員がきちっと領収書を貰って、商店などが脱税できないような仕組みを作ろうしているということだろう。
領収書には、正式な「発票」(ファーピャオ)、「定額発票」、私的な 「収据」(ショージュ)の3種類があって、最後の「収据」(ショージュ)では企業などは経費では落とせない。
「発票」は上の機械のようなものから発行する。この機械はオンラインで発行しているので、リアルタイムで税務署が税金を把握している。「定額発票」は額面が100元とか50元とかの領収書を事前に購入しておいて組み合わせて使う。これも購入時に税額が把握できている。
「収据」(ショージュ)は手書きにの私的な領収書で税務署は把握が難しいが、経費の申告に使えないから、税務署は把握する必要がない。この領収書でも、日本では領収書として通用するので、私が東京の会社に経費を申告する場合には使える。
このような仕組みがあれば、中国ではマルサのような税金逃れの調査は必要ない。取引が行われた瞬間あるいはそれ以前に確実に税金が把握されている。
さらに国民は全ての取引の際には領収書を貰うべきという教育を受けている。タクシーですら、このオンラインと同じ領収書が発行される。ただし、タクシーの場合にはオンラインではないだろうが。
後は、国民に領収書の受領を徹底することである。それは、教育とインセンティブである。この仕組みもこの領収書のシステムには組み込まれている。中国のシステムは徹底した合理主義と経済学から出来ていると思う。
発票(ファーピャオ) オンラインで税金を把握
定額発票 購入時に税金を把握
収据(ショージュ) 把握が難しいので正式の領収書とは認められない
領収書を貰わせるインセンティブ クジが全ての発票についている
発票についている銀色の部分をスクラッチカードのようにはがすと、下から、当選の場合には100元とか50元とかの数字が現れる。はずれの場合にはThanksのみ。会社の人で2回当たったという人がいるので当選者がいないわけではないようだ。当選者がたまにはいるからインセンティブになっているとも言える。
このように徹底した合理主義と教育、さらに人間心理に基づいた経済学の考えを取り入れて、この領収書のシステムが出来ている。個人的には緩やかな日本のシステムが好むが、税金逃れを許さないという観点に立てば、中国のシステムは良く考えられ、なおかつ、システムを有効性を担保するために、人間心理を考慮したもので。ある意味完璧に近いと思う。