アメリカのネットで、Instagramで動画の画質が徐々に低下する現象について、多くのユーザーが不満を投稿している。特に、大人気とは言えないクリエイターにとって、投稿した動画の画質が下がると、視聴者へのアピールが弱くなる。この問題に対して、Instagramの責任者が最近の「Ask Me Anything」(AMA)セッションでその背景を説明した。それによれば、この現象の原因はInstagramのリソース管理にあり、動画のパフォーマンスに基づいて画質が調整されているからだそうだ。
なぜ画質が視聴数によって変わるのか AMAの中で、ユーザーから「保存されているハイライト動画などが、なぜ時折ぼやけたり、画質が低下したりするのか」という質問が寄せられた。これに対し、責任者は、Instagramがリソースを節約するために、頻繁に視聴されない動画の画質を自動的に落とす仕組みがあることを説明している。「基本的には、最高画質の動画を提供したいが、ほとんどの視聴は投稿直後に集中するため、長期間視聴されていない動画については画質を下げる」と述べた。また、動画の人気が再び高まった場合には、高画質で再レンダリングできることも明らかにした。これは、効率を考えれば理解できる事だ。
この発言は多くのクリエイター間で議論を呼び、特にマイナーなクリエイターが自身の作品の画質低下に懸念を示している。動画の画質は、彼らのブランドの一部であり、画質の低下はプロフェッショナルな印象にも影響を及ぼしかねないからだ。
さらに、この責任者は、Instagramのシステムが、高い視聴数を獲得するコンテンツに対して高画質エンコードを優先することを説明している。動画のエンコードや保存、配信には多大なリソースが必要であり、Metaはこのリソースを効率的に管理するため、視聴数が多いコンテンツには「高画質のエンコード」を適用する設定になっているのだそうだ。
この方針に対して、マイナーなクリエイターから「視聴数が少ないために画質が下がるのは不公平だ」という声も上がっている。彼らは、視聴数が高いインフルエンサーが常に高画質の動画を提供できるのに対し、マイナーなクリエイターの投稿が低画質になりやすい点を指摘している。この仕組みがクリエイター間の格差を助長し、視聴者からのエンゲージメントに影響を与える可能性があると懸念しているようだ。
だが、画質低下はエンゲージメントに影響するのだろうか。コンテンツにもよる所が大きい気がする。この責任者は、画質管理のシステムが「全体的なレベルで機能している」とし、個々のユーザーを特定して調整しているわけではないことを説明した。また、視聴者が画質の差異を気にしないことがInstagramのデータから示されているとしている。私の直感も、データでも確認されているようだ。しかし、視覚的なクオリティが重要なクリエイターにとって、視聴回数によって画質が影響を受けることは大きな問題だろう。
Instagramの設定を読むと動画品質低下問題を解決する方法はあるようだ。
高画質モードを使う
Instagramには、高画質でコンテンツを投稿するための「高画質モード」が用意されている。このモードを有効にすることで、Instagramの圧縮を最小限に抑え、投稿時の画質低下を防ぐことができる。
設定方法は以下の通り
- アプリの設定メニューから「アカウント」を選択
- 「データ使用量の設定」を選択
- 「高画質でアップロード」をオンにする
ただし、高画質モードを利用するとデータ使用量が増えるため、Wi-Fi環境での利用が推奨だ。
最適な解像度とアスペクト比にする
動画をInstagramに投稿する際は、推奨される解像度とアスペクト比に調整することが重要。具体的には以下の設定が最適
- 解像度: 1080 x 1920ピクセル
- アスペクト比: 9:16(縦長)
- ファイル形式: MP4
動画編集ツールを使って、これらの設定に合わせてサイズ変更と形式変換を行うことで、Instagramの圧縮による画質劣化を最小限に抑えられる。
高品質な元動画を使う
高画質な動画をInstagramに投稿するには、まず高品質な元動画を用意することが大切。可能な限り高解像度で撮影し、ファイルサイズの大きな動画を使用。
低解像度や低ビットレートの動画は、Instagram側の圧縮によってさらに画質が落ちてしまう可能性が高い。
通信環境を整える
動画をアップロードする際の通信環境も、画質に影響を与える。低速または不安定なネットワーク接続では、Instagramが自動的に画質を下げて動画を圧縮することがある。
安定した高速なWi-Fi環境でアップロードすることで、この問題を回避できる。モバイルデータ通信の場合は、電波状況の良い場所で行う。
以上の方法を組み合わせることで、Instagramに高画質な動画を投稿し、フォロワーにより魅力的なコンテンツを届けることができるようだ。投稿前の準備と設定が、動画品質の改善につながる。
この問題になっている、視聴頻度の低いコンテンツの画質低下は、営利企業のMetaにとっては当然取るべき対策で、これを問題にする方がおかしい。だが、ネットというところは、そういうことまで自由に文句を言える所が長所だ。