新宿まで内田ユキオさんのトークショーに出かけた。基本的にはフジのX100のプロモーションなのだが、最近それをコンデジ代わりに使っているし、内田ユキオさんが好きなので顔を見に出かけた。
思った通りの人で話は面白かった。体の大きな人で気さくな感じだった。何冊か本を読んでいて、色々なことを知っているのでつい知人のように感じてしまう。終了後に少し話せたが、基本的にはライカでフィルムということで安心した。デジカメプロモーションは身過ぎ世過ぎということだろう。
気になった彼の言葉はタイトルの「写真とは撮るまでのこと」 つまりRAWで撮って後で加工するのが写真ではなく、撮るときに光や構図を考えて撮るものが写真だということだ。先日読んだ渡部さとるさんの「旅するカメラ4」にも、覆い焼きや焼き込みはやめて普通に焼いている話がでてくる。彼の表現では「ネガに記録する時に(写真は)決まっているのだ」ということになる。これは内田さんの言っていることと全く同じだ。
午前中の新宿の裏通りは小便臭く、日本の道はこんなことは無かったと思いながら歩く。ニューヨークの90年代は地下鉄など同じように臭く、当時は日本ならそんなことはあり得ないと思っていた。中国にいるときに食品の衛生や安全性の問題があっても日本では食品の衛生や安全性の問題などあり得ないと思っていたが、どちらも今は間違いだということになってしまった。
アメリカも中国も日本も良いところはあるが駄目なところも同じようにある。それはそれで良いことだが、前は違ったような気もする。これは日本と日本人が劣化したからなのか、単純に私の誤解だったのか。
知人に電話をすると在宅だったので、そちらに行くことにしてギャラリーや中古カメラ屋には寄らずに新宿を後にした。金曜日の夜からすでに十分に写真三昧の週末だった。