235
世界のどこでも
ここにいるとどこにいるのか分らない。世界のどこにでもあるモールだ。エルメス、グッチ、
フェラガモ、シャネルとヨーロッパのブランドは何でも揃う。中国のブランドのお店も
あるが、どの店もモダンな印象で、伝統的な中国の意匠は感じられない。グランド・
ハイアット・ホテルを中心にオフィス、アパート、ショッピングのエリアから成り立つ
コンプレックスだ。故宮から約1km東にあり、王府井のエリアにある。地下鉄も
直結していて大変便利だ。
20万人
週末には1日、20万人が訪れるという。最も進んだ資本主義社会と第三世界が
同居する北京にあって、この場所は北京の進む未来なのだろう。今は買えなくても
いつか買える欧米のブランドのショップを見て、未来を感じているのだ。
平均が意味を持たない
すでに未来が到着した人も多くいる。平均所得が意味を持たないこの国で、日本より
豊かな生活を営む人の数は日本のそれを遙かに凌ぐだろう。そして、その数は
毎日、増え続ける。もっと大事なことは、消費や高級に向く嗜好は、この古くて
若い国では当分衰えることはないだろう。人目を気にする、国民性がこの傾向に
拍車をかける。東方新天地に続く、新しいモールの建設ラッシュも続く。