NASAは、火星と木星の間にある小惑星プシュケ(Psyche)を調査する探査機を打ち上げた。打ち上げはスペースX社のファルコン・ヘビー・ロケットが使われている。この探査機は、これから6年間も飛行を続け、数百億キロ飛んでプシュケに到達する。
この小惑星プシュケは1852 年にイタリアの天文学者アンニバレ・デ・ガスパリスによって発見され、ギリシャの女神にちなんで名付けられたと言う。プシュケとは、古代ギリシャの言葉で生きるとか、心や魂を意味するそうだ。
プシュケは太陽系で最大の小惑星の一つで直径が270キロメートルある。この小惑星は金、銀、ニッケルでできており、貴重な金属の塊のようだ。NASAによれば地球の経済の合計よりも価値があり、その価値は1000京円を超えると言う。
もちろんNASAはプシュケに金の採掘に行くわけではなく、金属核を持つ小惑星や惑星がどのように生まれたのかを、この小惑星を使って調べようとしているようだ。地球も核は鉄とニッケルだ。
探査機は、プシュケ到達後2年かけて地形のマッピング、表面のスキャン、写真撮影などを行うようだ、特に、このプシュケで新しい金属が発見されるのではないかとも期待されている。人類が今まで金属だけで構成された小惑星を探索するのは初めてで、今まで探索された惑星はすべて岩石か氷でできていた。
19世紀に発見されたときには小さな光の点であったが、1960年代に高性能の望遠鏡より、プシュケが岩石の塊ではないことを推定できるだけの確信を得た後、レーザーをプシュケに向かって発信し、その反射から金属の塊であることの証拠を得た。この結果プシュケがほぼ純粋に金属の塊でできていることがわかったよと言うことだ。
今回のNASAのミッションは、プシュケを調べることで、惑星にならなかったかもしれない惑星の核を調べることで惑星の生成の過程について詳しく調べることと、地球、火星や金星の岩石には酸化鉄が多く含まれているが、プシュケには酸化鉄は含まれていないようなので、プシュケが火星、金星、地球と違い、別の時代に生まれた可能性もあり、太陽系の歴史についての手がかりを得ることに目的があるようだ
プシュケの旅は、6年続き、そこから2年間プシュケについて調べると言う事だから、プシュケについての概要が分かるまで、今から8年、かなり遠い未来の話だ。宇宙は広くて人類には何も分かっていないというのが現状だ。これから、人類が生存を続け、これを1億年続けれ宇宙についてもっと多くのことを知るのだろうか。