札幌オリンピック消滅

by Shogo

IOCは、2030年と2034年の冬季オリンピックの開催地として、フランスとソルトレイクシティをそれぞれ推奨すると発表した。これらの候補地は、今後IOCとの詳細な計画を話し合い、最終決定は2024年7月のIOC会議で行われる予定。

フランスは、アヴェロン=ローヌ=アルプとプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域に渡る4つの地域でオリンピックを開催する計画を立てている。一方、ソルトレイクシティはもともと2030年のゲームに立候補する計画だったが、2028年のロサンゼルス夏季オリンピックに近すぎると判断し、2034年立候補に変更した。現在の計画では、既存の会場のみを使用し、2002年の大会からの経験を活かしながら、大規模な投資を必要としないそうだ。

また、スイスは2038年冬季オリンピックに向けた優先的な交渉をIOCと行うと発表され、スイスでの開催が現実的のようだ。これで、2038年までの札幌における冬季オリンピックの開催の可能性は無くなった。

過去に冬季オリンピックを開催したことがある国は13カ国。そもそも、気候の関係で開催できる国は限られている。このため、アメリカは4回開催しているし、フランスも2030年で4回目となる。開催可能な国で未開催な国としては、スウェーデンやフィンランドもあるが、何らかの理由で開催していないのだろう。それを考えると、札幌は有力な候補地ではあるが、IOCは国民の支持が得られていない国では開催しない。

オリンピック反対の理由として、経済的負担、環境への影響などが考えられる。そのような理由もあり、ノルウェーでは2回も開催されているが、スウェーデンやフィンランドは開催していないのだろう。

このところ東京オリンピックでの買収や談合といった事件のために、札幌市民も含めて日本人全体でオリンピックへの熱が冷めてしまったようだ。このために、一時は既定路線と思われた札幌オリンピックは消えた。

そもそも、過去にはオリンピックやFIFAワールドカップの開催では、多くのスキャンダルが起こってきた。オリンピックに関連する事例としては、以下のようなことが代表例だ。

  • ソルトレイクシティの招致団体が、IOCのメンバーに対し、金銭や贈り物を提供した。
  • リオデジャネイロのオリンピック招致に関して、招致団体がIOCメンバーに賄賂を提供した疑いが報じられた。
  • 東京オリンピックの招致過程において、コンサルティング会社への不透明な支払いが問題視された。

このような事例は多く、日本人が国際大会招致への熱意がなくなっている理由の一つだろう。今後の札幌オリンピックの可能性を考えてみると最短で2042年となる。招致を行うとすると2030年ころからと思われるが、その頃に国民感情や熱意がどうなっているか、経済的な負担に耐えられるかどうか。どちらにせよ、当分の間、日本にはオリンピックは来ない。

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