新しいクラブワールドカップのフォーマットがFIFAにより発表された。出場クラブは32に拡大され、現在の年次形式ではなく、4年ごとに開催となる。
FIFAクラブワールドカップ2023が、ちょうど2023年12月12日から12月22日にかけて、サウジアラビアで開催されている。これは、20回目の大会だ。アジアチャンピオンとして出場している浦和レッズは、残念ながら昨日の準決勝でマンチェスター・シティに敗れてしまった。
今までの7チームによる大会は、2023年で終わり、2025年から新しいフォーマットで開催される。新フォーマットの大会は、2025年6月15日から7月13日まで、翌年のFIFAワールドカップの先立って、共催国の一つの米国で開催される。今後は、FIFAワールドカップの前年にその開催国で、クラブワールドカップも開催される。ワールドカップが国代表の世界一を争う大会で、クラブワールドカップのクラブの世界一決定大会だ。
出場32チームの大陸連盟別の振り分けは、AFC(アジアサッカー連盟) – 4枠、CAF(アフリカサッカー連盟) – 4枠、CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟) – 4枠、CONMEBOL(南米サッカー連盟) – 6枠、OFC(オセアニアサッカー連盟) – 1枠、UEFA(ヨーロッパサッカー連盟) – 12枠となっている。
現時点で出場が確定しているクラブは下記の通り
AFC(アジアサッカー連盟) – 4枠
- アル・ヒラル(サウジアラビア):2021年AFCチャンピオンズリーグの勝者。これが4回目の出場。
- 浦和レッズ(日本):2022年AFCチャンピオンズリーグの勝者。これが4回目の出場。
- 未定:2023-24年AFCチャンピオンズリーグの勝者。
- 未定:AFCの4年間のランキングで最も適格なチーム。
CAF(アフリカサッカー連盟) – 4枠
- アル・アハリ(エジプト):2020-21年および2022-23年CAFチャンピオンズリーグの勝者。これが10回目の出場。
- ワイダッド・カサブランカ(モロッコ):2021-22年CAFチャンピオンズリーグの勝者。これが3回目の出場。
- 未定:2023-24年CAFチャンピオンズリーグの勝者。
- 未定:CAFの4年間のランキングで最も適格なチーム。
CONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟) – 4枠
- モンテレイ(メキシコ):2021年CONCACAFチャンピオンズリーグの勝者。これが6回目の出場。
- シアトル・サウンダーズFC(アメリカ):2022年CONCACAFチャンピオンズリーグの勝者。これが2回目の出場。
- レオン(メキシコ):2023年CONCACAFチャンピオンズリーグの勝者。これが2回目の出場。
- 未定:2024年CONCACAFチャンピオンズカップの勝者。
CONMEBOL(南米サッカー連盟) – 6枠
- パルメイラス(ブラジル):2021年コパ・リベルタドーレスの勝者。これが3回目の出場。
- フラメンゴ(ブラジル):2022年コパ・リベルタドーレスの勝者。これが3回目の出場。
- フルミネンセ(ブラジル):2023年コパ・リベルタドーレスの勝者。これが2回目の出場。
- 未定:2024年コパ・リベルタドーレスの勝者。
- 未定:CONMEBOLの4年間のランキングで最も適格なチーム。
- 未定:CONMEBOLの4年間のランキングで2番目に適格なチーム。
OFC(オセアニアサッカー連盟) – 1枠
- オークランド・シティ(ニュージーランド):OFCの4年間で最も適格なOFCチャンピオンズリーグの勝者。12回目の出場。
UEFA(ヨーロッパサッカー連盟) – 12枠
- チェルシー(イングランド):2020-21年UEFAチャンピオンズリーグの勝者。これが3回目の出場。
- レアル・マドリード(スペイン):2021-22年UEFAチャンピオンズリーグの勝者。これが7回目の出場。
- マンチェスター・シティ(イングランド):2022-23年UEFAチャンピオンズリーグの勝者。これが2回目の出場。
- 未定:2023-24年UEFAチャンピオンズリーグの勝者。
- バイエルン・ミュンヘン(ドイツ):UEFAの4年間のランキングで選出。
- パリ・サンジェルマン(フランス):UEFAの4年間のランキングで選出。
- インテル・ミラノ(イタリア):UEFAの4年間のランキングで選出。
- ポルト(ポルトガル):UEFAの4年間のランキングで選出。
- ベンフィカ(ポルトガル):UEFAの4年間のランキングで選出。
- 未定:UEFAの4年間のランキングで選出。
- 未定:UEFAの4年間のランキングで選出。
- 未定:UEFAの4年間のランキングで選出。
CONCACAF(ホスト連盟) – 1枠
- 未定:ホスト国の代表
今回のFIFAが発表した大会のフォーマットや日程に関して、すでに多くの懸念が示されている。
まず、スケジュールと選手の負担が大きな課題と指摘されている。 大会は、6月15日から7月13日までの29日間にわたって行われ、プレミアリーグシーズンの約1ヶ月前に終了する。このため、選手の負担に関する懸念が生じている。本来は休息の時期だからだ。これは、日本のJリーグも同じだ。Jリーグも2026年より日程が秋冬に移行して8月開幕~5月閉幕となる。出場チームはクラブワールドカップ終了後、すぐにリーグ戦が始まることとなる。2025年に関しては、これまでの通り、リーグ戦の開催中と重なるために、これまでと同じくスケジュールが過密となる。
これ以外にも、2026年ワールドカップの予選や各国での大会がこの時期に行われるために、日程調整が複雑だ。例えば、イギリスでは、 プレミアリーグ優勝チームとFAカップ優勝チームのコミュニティ・シールドも開催される。Jリーグが秋冬制になれば同じ問題が生じる。
このようなことから、出場チームが拡大することで、 選手の試合数増加する。 一部の選手はクラブと国代表のために80試合以上に出場する可能性がある。これは現在の上限より10%増加することを意味する。
もう一つは、クラブの経営だ。 通常、クラブは7月に資金を得るためのグローバルツアーを行う。収益性が高く、つまり稼ぎ時なのだ。ここで、クラブは、どの選手を参加させるか決めるが、有名選手が参加しないツアーは人気がなくなるので、ここはスケジュールや選手の負担との調整が必要だ。クラブの経営者にとっては、頭の痛いことだろう。
クラブワールドカップは、日本で行われていたトヨタカップを吸収する形で発展してきた。次回からは32チームが参加する大きな大会となる。この大きな大会のために、本来なら選手は休息する時期に負担が増えることになる。怪我などが増えないことを祈るしかない。