元旦のサッカーと地震

by Shogo

酒を飲めなくなって、二度目の正月。他にすることもないので、国立競技場までサッカーを見に出かけた。急に思い立って行ったわけではなく、去年の正月も手持ち無沙汰だったがので12月の初めにチケットサイトを見たらまだ買えたので買っておいたのだ。

元旦と言えば、天皇杯の観戦というのが正月の定番だった。そして、2日・3日は箱根駅伝と続く。その天皇杯は今はFIFAや AFCの国際大会のスケジュールとの関係で12月に繰り上がることも多く、必ずしも1月1日には開催されていない。だから、久しぶりの元旦のサッカーとなる。

国立競技場は満員だった。対戦相手がFIFAランキング113位のタイで、17位の日本としては強化試合になるのか不思議な気がしていたが、前半だけ見ると、日本代表は苦戦していた。右サイドの伊藤純也や毎熊が活躍してチャンスを作り出すが、最終的には得点にはつながらなかった。

後半に入って、堂安や南野の投入でゴール前が活性化し、次々とゴールが生まれた。その意味で2026年のFIFAワールドカップに向けて新しい戦力を見出そうとする試みなは失敗だった。初スタメンとなった伊藤涼太郎、藤井陽也、奥抜侃志は結果を残せなかった。残念だが、113位のタイを相手に目立った動きができないのであれば、ワールドカップはおろか、今月のアジアカップも難しい。

個人的には試合を見ていて、毎熊の活躍が目についた。走っていたし、攻守で良い動きをしたと思う。もちろん伊藤純也は前半の苦しい中で試合を動かす中心選手となっていた。MVPに値するだろう。でも、ここは毎熊を評価したい。この二人以外では田中碧も良かったが、残念なことに前半のメンバーでは結果が出なかった。

試合が終わった直後に家人が揺れていると言った。私は感じなかったのだが、この直後からLINEなどから様々な情報が入り始め、震度7と言う大変な地震が起こったことがわかった。

自宅に戻った時点ではテレビのすべてのチャンネルは、この地震の特別番組に切り替わっており津波警報がひっきりなしに鳴り響いた。2024年は世界的に見て不安定な年になると、朝書いたばかりだったが、元旦からの大きな地震でますます不安な気持ちが募る。

しかも、震源地は原発のある石川県志賀町だ。幸いなことに原発は2011年から運転が停止しており、福島の時のような原発事故の悪夢は繰り返されなかった。もともと、この付近に活断層があることが懸念されており再開のめどが取っていなかった。今回のような大きな地震がまた起こったことを考えると日本で原発の稼働は難しいと改めて実感させられた。活断層の定義も曖昧でや今後の動きの予想も不可能だということは度々指摘されている。そのような地質的な特性を持つ日本で、一度事故を起こせば地球規模の災害につながることがわかっている原発の稼働は不可能だと言う事は、今回の地震でも改めて認識させられることになった

暖かく、爽やかな国立競技場で、親善試合と言うストレスはあまり感じないサッカーを楽しんだ後で、帰り道は暗い気持ちになった。家人がつぶやいた一言が今の気持ちを象徴している。「日本は一体どうなってしまうのだろうか」。

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