美術館入場者数の回復状況

by Shogo

コロナ禍で大きな打撃を受けた世界の美術館だが、2023年には徐々に回復の兆しが見えてきたようだ。The Art Newspaperが毎年実施している来館者数調査によると、パリのルーヴル美術館やソウルの国立中央博物館は、ほぼパンデミック前の水準に戻りつつある。一方で、ロンドンの美術館は、この数年の苦戦が続いているようだ。

2023年の世界のトップ100美術館の総来館者数は1億7600万人に達し、前年の1億4100万人から大幅に増加した。しかし、まだパンデミック前の2019年の2億3000万人には及ばず、完全な回復にはまだ時間がかかりそうだ。旅行客が増えているように思っていたが、全体でみるとそうでもないようだ。

国別に見ると、イタリアの美術館は好調で、フィレンツェのウフィツィ美術館は270万人、アカデミア美術館は200万人と過去最高の来館者数を記録した。一方、イギリスの美術館は苦戦が続いており、ロンドンのナショナル・ギャラリーは来館者数が48%減の310万人にとどまっている。これは、まだ工事が続いていて、一部のギャラリーが閉鎖されているからだろう。

アメリカでは、ニューヨークのメトロポリタン美術館が540万人と、ワシントンDCのナショナル・ギャラリー・オブ・アートを抑えて再び首位に立った。パンデミック前と比べると10%増の来館者数だ。

アジアでは、2021年にオープンした香港のM+美術館が280万人を集め、ソウルの国立中央博物館に次いでアジアでも有数の人気美術館となった。ベスト10は以下の通り

  • 1位:8,860,000人 ルーヴル美術館、パリ
  • 2位:6,764,858人 ヴァチカン美術館
  • 3位:5,820,860人 大英博物館、ロンドン
  • 4位:5,364,000人 メトロポリタン美術館、ニューヨーク
  • 5位:4,742,038人 テート・モダン、ロンドン
  • 6位:4,180,285人 国立中央博物館、ソウル
  • 7位:3,871,498人  オルセー美術館、パリ
  • 8位:3,829,812人  ワシントン・ナショナル・ギャラリー
  • 9位:3,337,550人  プラド美術館、マドリード
  • 10位:3,273,753人  エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク

日本の美術館のトップの国立新美術館が21位で、225万人ということと比べると大きな開きがある。そもそも、国立新美術館は普通の美術館とは呼べないので比べるのは無理があるのかもしれない。  東京都美術館や国立近代美術館の名前は100位までのリストにはあるが、西洋美術館などの名前はなく、インバウンドを拡大するなら、もっと美術館の充実にも力を入れたほうが良いかもしれない。

ヨーロッパやアメリカの美術館は力強い回復を見せており、アジアの新しい美術館も注目を集めている状況を考えると、日本の美術の状況はまだまだ寂しいものだ。

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