「イノベーションのジレンマ」とカメラ

by Shogo

授業で学生にクレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」の説明をしていて、カメラの画素数競争のことを連想した。適切な事例で説明しようとして、様々な商品のことを考えたら、その時にカメラのことが思い浮かんだのだ。

授業でカメラを連想するというのも、趣味の話をしているのでどうかとも思う。学生には、ほかの商品の事例で話をした。

画素数競争を思いついたのは、たまたまライカエム11の噂を見たからだ。それによれば、Lieca M11の噂の記事を目にしていたからだ。

Leica Rumorsの記事によれば、M11の発売日は2021年11月11日、撮像センサーは、裏面照射型の3,600万画素、裏面のプレートは外れない、ボディ内手ぶれ補正無しということだった。

裏面のプレートは外れないというのは、ほかのカメラのように蝶番のついたカバーでバッテリーやメモリーを出し入れ剃るのだろうか。今まで慣れているプレート式が好ましいが、使い始めたらすぐになれるのだろう。手ぶれ補正n無しの姿勢が嬉しい。

画素数は、3,600万画素は少し大きい数字だが、仕方のないことなのだろう。Lieca M10Rが4,000万画素まで行っているので、少し抑え気味ということか。最近の他社のカメラに比べて画素数が少ない。そういう競争にライカが乗らないというあたりにライカの主義が感じられる。

このところ、高画素機競争のように、高画素のカメラが発売されている。Fujiは中盤だが、GFX100が1億200万画素、ソニーのα7R IV ILCE-7RM4が6,100万画素、キャノンのEOS 5Ds Rが5,060万画素、ニコンのZ7が4,575万画素と、高画素機がたくさん登場している。個人的には、3,600万画素でも大きすぎて、今使っているM-Pの2400万画素で十分と感じている。画質に問題はないし、今より大きなサイズになるとパソコンの処理能力やストレージに問題が出そうだ。

それから、自分の撮影スタイルだと、撮る時間帯が、夜明けの頃と夕方から夜にかけての時間帯なので、同じフルサイズのセンサーでも、高画素になると画素1個あたり受光面積は小さくなってしまうので、あまり大きいものを望んでもいない。今の2,400万画素程度がちょうどいいと思っている。と言っても、M11が出てもすぐに買う予定はないのだが。

この高画素競争と言うのは、まさにクリステンセンの言う「イノベーションのジレンマ」だ。各カメラメーカーが持続的なイノベーションを続けた結果、高画素に行き着くのは当然のことだ。より高スペックのカメラを目指して開発が続く。そして、あまりにも高スペックになって、結局便利なスマホのカメラ負ける。この場合にはスマホのカメラが破壊的イノベーションだ。実際に使っているiPhone11proのカメラは驚くほど写りが良い。これに負けているのが今の状況だと思う。

フルサイズのセンサーのカメラの適正画素数が今のままで良いと言うつもりはないが、どこかで歯止めをかけないとカメラそのものが一般の人から遠いところに行ってしまうように思える。これこそ、「イノベーションのジレンマ」だと、だんだん思えてきた。その時授業の中でカメラの話をすればよかったのだろうか。

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