コーヒーは健康に良いか悪いかについては、メリットが大きいと言うことで決着がついている。
何十年も昔は、周辺にいるたくさんの人は、コーヒー豆を焦がしたものを飲むと、がんになる可能性があると言っていたので、それを信じていた。だがコーヒーが好きだから止められずにいた。
しかし、その後の研究により、カフェインの功罪は別にして、コーヒーに含まれているポリフェノールが健康に良いと言われるようになった。コーヒーに含まれるポリフェノールのクロロゲン酸が、血液をサラサラにして、血管が詰まることを防ぐそうだ。このために心臓病や脳卒中を防ぐと言うことらしい。また大腸がんや肝がんの予防になると言うことも言われている。
しかしその一方で、コーヒーには体内のカルシウムを流出させ、骨粗しょう症を引き起こすと言う話もあった。
これについては、まだ最終的な決着がついていないようだ。多くの研究結果では、コーヒーが、ある程度のカルシュウムを体内から排出させることについては肯定的な結果を出している。2013年に発表されたスウェーデンにおける研究は、6万人以上の女性を20年間調査して、毎日4杯以上のコーヒーを飲むと骨密度がわずかに減少すると言う結果を示した。しかし同研究によれば、骨密度の減少はわずかで、骨折には至らないような程度だとしている。
2021年のFood and Chemical Toxicology誌に掲載された論文では、1日8杯までのコーヒーは、カルシウムを十分に摂取している健康な成人では、転倒や骨折のリスクはないと結論づけている。
これらのことから、コーヒーが体内のカルシウムの排出を促進するのは事実だが、その量はわずかで、毎日十分なカルシウムを摂取している場合には無視して良いような程度と言うことのようだ。だが、これも「問題ない」というには、限定がついていて、「健康で、十分なカルシュウムを摂取している場合のみ」だ。万人に問題がないと言っているわけではない。
このコーヒーの健康への影響については、以前信じられていたことが、新しい研究により変わってきている。これはコーヒーに限らず多くのことに当てはまる。例えば運動の方法だ。昔は蛙跳びをして、練習中には水を飲まないと言うことが一般的であった。だが、その後の研究などにより、それらの練習方法は効果がないどころか、体に与える害の方が大きいとなり、今ではありえない練習方法になっている。
コーヒーが好きなので、体に害があると言われた頃から、毎日大量に飲んでいた。1日4杯どころか、10杯位は飲んでいただろう。以前は打ち合わせや商談と称して、社内の会議室や喫茶店でコーヒーを飲むのが仕事の一部だった。それが健康に良いのか悪いのか考えることもなかった。むしろ健康には悪いことだと思っていた。
しかし、その後の様々な研究をしてコーヒーのポリフェノールの健康効果が一般的に知られるようになった。だから最近は、健康に良いものだと思って相変わらずコーヒーを飲み続けている。