独立ならず

by Shogo

今朝、住民投票の結果が出て、スコットランドの独立は否決された。結果は45/55ということでかなりの接戦だ。去年の滞在中にこの住民投票のことを読んだのだが、実現しないだろうと意味もなく考えていた。それは成立してから数百年もたつ近代国家が簡単に分裂することはないと思っていたからだ。戦後の歴史でもごく最近の冷戦終了後の歴史でも実例はいくつかあるがイギリスのような安定している国では成立しないと思っていた。

それが、ここに来て世論調査でも地元の人の話でも十分に可能性があると聞いていて結果を待っていた。新しい国家の誕生を、独立される方の国の首都で経験することは珍しい体験だったかもしれない。今週はずっとニュースでも賛成派、反対派ともに激しい口調で演説することが報道されていた。

1707年に同じ国になったということで日本で言えば江戸の中期のことだ。どの国にも少数派がいる訳だが、300年もたってから独立を求めるということは驚くことではないのだろうか。生まれた時から文化的な影響は残すものの日本という国が前提と考える多くの日本人には不思議なことだろう。少なくとも私はそうだ。

否決されたとは言え、たった6%の投票の行方で変わる訳で、これで収まるとも思えないし、ロンドンの政府も今後の対応が変わってくるのだろう。

会社の同僚と話していた時に、同僚の一人が言ったのは、スコットランドが独立したら国の名前を変えなければいけないというのだ。 イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」だが、このグレートブリテンという島はスコットランドが含まれているからグレートブリテンは使えなくなるので名称の変更が必要になるということだった。

少なくとも昨日までは新しい国の誕生と今の国の体制変更を現実のこととして多くの人が考えていたが、それは当面は終わったということだ。ただし、これはまだまだ続きがあるし、どの様に生きていきたいかという人間の欲求に終わりはないということだ。

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