亀山仁写真展「Thanaka」

by Shogo

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昨年の末より旅行や出張のために新中野の冬青社のギャラリーに行っていなかった。同ギャラリーは日曜日は休みなので、土曜でないと行けない。なので旅行や出張から日曜日に帰っていても行けないから、しばらく足が遠のいていた。

7月27日まで亀山仁さんのミャンマーの展示が行われていたのだが、行きたいと思いつつも予定があったりで、なかなか行けなくて、ようやく最終日に見ることができた。新中野は自転車だと近いのだが電車だとかなりの遠回りになる。環七に地下鉄でも通してくれると近いのだが、少子高齢化でそれももうない。それはともかく、自転車で出かけて、しかも在廊されていた亀山さんにもお話を伺うことができて幸せな土曜日に。

どの作品も美しいプリントで、個人的な好みよりは柔らかめだが、こんなに美しく焼くのは大変だろうなと思いながら幸せな気持ちで見ていた。一枚一枚、写真の隅々まで美しい諧調で目を離せずに舐めるように見入ってしまった。全体としてはやや濃度に違いがあるような気がしたが、確かめたりしなかった。当然、作家はそんなことは分かっていてベストの濃度とコントラストを選んでいるのだから。

ミャンマーの写真展でミャンマーの写真集だが、ミャンマーの現実とはきっと違っていて、亀山さんの描く世界が現実ではないと思う。でも自分も亀山さんも現実のミャンマーを知りたいわけではない。こういう写真にそんなきっかけを求めている訳ではない。ミャンマーという被写体を使って、亀山さんの世界を描いているのだから。私も写真を見る意図は、ミャンマーであろうとどこであろうと、その被写体やその世界を知りたいわけでもない。写真となった美しいプリントが見たいだけなのだ。もっと言うなら、そこに写しだされた光がどのようにプリントに表現されているかに興味があるのだ。

写真集を購入したが、いつもながら冬青社のモノクロの写真集のクオリティは素晴らしく、プリントと違うと言えばそれまでだが、印刷物とは思えない質感を感じることができる。ミャンマーでなくてもよいから、どこかにローライを持って出かけたくなった。

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