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村には桜の一種と思われる白い花が満開だった。太陽が上って気温は上がり始めたので着ていたジャケットとセーターを脱いでカバンにしまった。子供たちが珍しそうに私のカメラを見ている。話せれば楽しいだろうに、こちらからは話しかけられない。もう少し中国語ができたらなと考える。
写真を撮ってよいか聞くと、私の言ったことが理解できたのかできないのか、笑ってカメラの方を向いてくれた。
中国では土地はすべて国有だ。不動産の売買は可能だが、これは所有権を移転するのではなく、使用権の売買だ。この村にあるような棚田については、村の委員会が各家庭の労働力に合わせて、棚田の使用権を割り当てているそうだ。子供が結婚や他の理由で村を出て行った場合には、その土地の利用は他の家庭に割り当てられる。村の子供同士が結婚した場合には両方の家庭の土地が原則として受け継がれるそうだ。
また、中国は一人っ子政策が採られてはいるが、少数民族や農村の場合にはそれが適用されない。この哈尼(ハニ)族の村ではどうなっているかは分からなかった。ただ、たくさんの子供にも会ったし、若い人も結構いた。
子供たちは、男の子はどこにでもいる洋服を着ているが、女の子は民族衣装のようだ。村の中で普通に遊んでいる時でも着ているようなので普段からそうなのだろう。展望台でポーズをとるために着ているのではなさそうだ。哈尼族の民族衣装は頭の被り物と腰につけたスカーフのようなものがポイントのようだ。子供や若い人はパステルカラーの華やかな色が中心だが、年配の女性は黒と濃紺の組み合わせて非常にシックな色使いだ。男の人で民族衣装を来ている人は見なかった。
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