寒さがゆるんだ。最高気温は5度くらいまで上がるので昼間出かける時は先週のように寒くはない。と言っても朝はマイナスだ。それよりもこの数日毎日ずっと霧の日が続く。寒くても昼間は太陽があった方がずっと暖かく感じる。
香廠路の市場に行ったのは、11月の末なので今よりは寒くはなかった。先週のような寒い日はどうなっているのか興味がある。また行ってみよう。
この辺りは前門の南で北京の南部と書いた。北京でも古い街並みが一番残っているエリアだが、この写真のような市場は、他では見かけない。でも北京中を歩き回った訳ではないので、他にもあるかどうか本当のところは分からない。
北京も都市化・近代化が急速に進んでいるので、流通もちょうど変わろうとしている時期なのだろう。行商のような人もたくさん見かけるし、この市場ほどではないが、小さな商店もたくさんある。
一方、北京中どこへ行っても、中国の地元資本の「京客隆」(ジン・ク・ロン)というスーパーが出店していて、よく見かける。食品やその他の生活必需品の販売は小さな商店から、そちらへ置き換わっているのだろう。
中心部にはまだ少ないが、外国資本のスーパーの大型店舗も増えつつある。日本のイトーヨーカ堂は、「華堂」(ホヮ・タン)という名前で、フランスのカルフールは「家楽福」(ジャ・ル・フ)という名前で大きな店を展開している。
都市化と流通の効率化のために、かつて日本にもあった古い形態の商店は姿を消し、大手資本の大型店舗ばかりの流通が現在の日本の姿だ。北京の流通も変わるのだろう。特に、このエリアは古い胡同の撤去がどんどん進んでいる。
日本の戦後にそうであったように、北京でも道でものを売っていたのだよという笑い話をいつかするようにきっとなるのだろう。傍観者として、この市場で写真を撮っているのは楽しいのだが、ひ弱な私はこの市場では暮らせないだろう。
日本にはもう無いこんな市場の活気が怖くて、きれいなピカピカのスーパーに買い物に行っている。と言っても買うのは、ここで売っているようなものではなく、シリアルとかパンとかチーズとかコーヒーしか買わないのだけれど。
でも地元の人が行く市場に行って、買い物はしないのだけれど売っている物を見たり、買い物に来ている人を見るのは好きだ。