今日美術館「Tim Yip個展」

by Shogo

今日美術館

現代中国を代表するアーティスト、岳敏君(Yue Min Jin)のオブジェが今日美術館の前に展示されている。

美術館の入り口は2階にあり、1階にはコーヒーショップと美術書の本屋が併設されている。その建物は倉庫を改造したのか、そのように見えるように建てられた赤レンガ造り。周辺には、大山子の798芸術区エリアを意識しているのだろうが、ギャラリーなどが入り始めたモダンなビル群。中心部に近い芸術エリアを構想しているのだろう。

岳敏君の絵画の作品は、最近もサザビーかクリスティで7億円程度で落札されたから、日本の村上隆もぶっ飛ぶほどの評価だ。基本的にはこの像と同じく目をつぶって笑っている自画像の絵画が中心だ。中国の現代絵画やモダンアートの評価が高いのはその芸術性もあるが、中国の経済成長に伴って、投資市場としての価値が高まっているのかもしれない。余っているお金の向かう先が、株や債権、不動産そしてアートの市場ということなのだろう。だからといって中国のモダンアートの芸術性が低いと言っているわけではない。このところ、水墨画や書以外の中国の芸術作品を見る機会があったが、私が個人的に知らなかっただけで、中国の芸術家は豊かな伝統とその才能をもとに様々な作品を生み出している。

Tim Yip  ”Illusions of Silence”

現在、今日美術館では、Tim Yipのオブジェ、ビデオ・インスタレーション、写真の展示が行われていた。Tim Yipという人を良く知らなかったが、アメリカ映画のDr. Seuss’ How the Grinchでアート・ディクションとコスチュームデザインでアカデミー賞ももらった人のようだ。

オブジェとビデオ・インスタレーションは同時に展示されており、独自の効果を生み出していた。また、その作品の巨大さもインパクトがあった。ホワイト・ノイズの巨大な映像の前の巨大な生物なようなオブジェ、木の葉の間からこぼれる太陽の光の前の巨人の半身のようなオブジェ。

写真は、彼が世界各地で撮った写真をペアで展示して、その組み合わせがパリと台北であったり、ニューヨークと北京であったりするのだが、素材がその街の観光名所という訳でなく、路地裏だったり廃墟だったり、泥んこ道だったりするので良く見ていてもどちらがどちらかは分からない。

あと面白かったのが、一階にあるアート本の書店の本棚。多くが水平ではなく、斜めに傾いている。

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