二人乗り自転車の旅行者

by Shogo



街で見かけた自転車

旅行者?

二人乗り自転車だが、旅行者のように見える。どこからどこへ行くのだろう。この二人を見て、もう10年近くも前に一緒に仕事をしていたスイス人が、インドから中国まで自転車で旅行するために仕事を辞めたのを思い出した。ジュネーブの連絡先をもらっていたのに一度も連絡していない。彼は北京に着いたのだろうか?それとも上海が目的地だったのだろうか?その時分の私には広い中国がひとつの場所で、その中にたくさんの都市があることなど、分かっていても考えたこともなかった。彼が北京を目指すのか、上海を目指すのか、聞きもしなかった。それほど中国は私には遠い場所だった。

89年

そういえば、アメリカの大学に行ったのは天安門の事件の1週間後で、誰もかもが中国の話をしていた。回りの中国人は皆、台湾か香港の出身者で、本土の人はいなかった。そして、だれも彼も本土の悪口を言っていた。だから私には本土は余計遠い場所になっていった。自転車旅行に出るとその友人が言ったのは、97年頃だから天安門も過ぎ、開放・改革が進み始めた時代だったが、それでも私には中国は遠い国で、そこに旅行に出かけることは考えられなかった。

二人乗り自転車の旅行者

今の中国は、来年のオリンピックを控え、世界の注目が集まっている。環境汚染や食品の安全性という懸念事項はあるにせよ、旅行の目的地としては魅力的かもしれない。経済発展の進む、エキゾチックなアジアの大国。経済先進国の仲間入りをしようとしている第三世界。スターバックスもある都市の数千年の歴史のある遺跡。この二人が何を経験するか分からないが、飛行機と車で旅行する人が見聞きすることとずいぶん違うのだろう。

自転車

北京に来た頃、自転車を買おうかと考えたが、自動車の運転手のマナーの悪さと事故の多さを見て、すぐにあきらめた。どこか公園の中なら大丈夫かも知れないので、いつかまた検討しようか。それとも今のままウォーキングに徹するか。ウォーキングは遠くへは行けないが、写真を撮ったり街を良く見たりというメリットもあるのでこちらも捨て難い。当面、歩いて街を見て移動しよう。

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