Grok iOSアプリ

by Shogo

2023年にイーロン・マスクが設立したAI企業xAIがリリースしたチャットボット、「Grok」が話題になっている。Grokは当初、X(旧Twitter)の有料会員向けに提供されていたが、無料版の提供も開始され、今月になって、さらにはiOSアプリとして独立した形でベータ版がリリースされた。ただし、現時点では複数国でベータ版で提供されているが日本は含まれていない。言語対応の問題があるのかもしれない。

 Grokとは何か?

Grokは、xAIが開発したAIチャットボットだ。最大の特徴は、Xの投稿やWeb上の最新データへリアルタイムにアクセスできることにある。これにより、単に一般知識を回答するだけでなく、「現在進行形」の話題に対しても鮮度のある応答を返すことが可能となっていて、他のAIチャットボットには無い強みだ。さらに、画像生成機能や画像をアップロードして分析する機能など、多様なモードを備えているため、情報検索からクリエイティブな用途まで幅広く対応する。

xAIとColossusスーパコンピュータ

xAIはイーロン・マスクのAI企業であり、最先端のAI研究と製品開発を手掛けている。xAIは、2024年に入り「Colossus」という超大規模スパコンを世界最速ペースで構築し、10万基以上のNVIDIA Hopper GPUを利用できる体制をわずか122日で整えたそうだ。現在はこの倍となる20万基のHopper GPUをめざして設備を拡張中であり、同社が掲げる「AIで宇宙の真理を探究する」という壮大なビジョンを支える強固なインフラが整備されつつある。やはりイーロン・マスクの資金力の強みは大きい。

Grokシリーズの展開

Grokには、これまでいくつかのモデル・バージョンが登場してきた。2023年11月時点で「Grok 2」が主力モデルとして提供されており、さらに「Grok 3」のトレーニングも進行中とされている。また、チャットボットや画像生成を含むマルチモーダル対応を強化するなど、高速化と精度向上が進められてきた。

Grokの主要機能

リアルタイム情報の取得

GrokはXとの連携によって、世界中で投稿される最新情報をほぼリアルタイムで収集できる。ニュース速報やトレンドについても随時データを取得し、ユーザーからの質問に合わせて即答できる点が、従来の言語モデルとは大きく異なる。

画像生成と画像アップロード解析

Grokにはテキストから画像を生成する機能が搭載されている。さらに、ユーザーがアップロードした写真やスクリーンショットを解析したり、その背景情報を解説したりできる点が新しいポイントだ。これはxAIが独自に開発した画像生成モデル「Aurora」のおかげであり、写真画質の高精細なレンダリングにも対応できる。Xユーザーは、利用規約でGrokに投稿が理由されるとこに同意しているのだろう。(細かく読んでいればだが)

「ユーモア重視」の対話スタイル

Grokは、単に無難な返事をするだけでなく、「最大限に好奇心を刺激し、時にはユーモアを交えた返答を目指す」という設計思想を持っているのだそうだ。これにより、これまでのチャットボットが回避しがちだったジョークや皮肉、あるいは際どい話題にも、柔軟に応答する能力が付与されているという。これについては、使ったことがないので、どの程度のものか分からない。

プライバシーへの配慮

また、Grok開発のコンセプトには、一貫して「ユーザーデータのプライバシー保護を重視する」ことだそうだ。xAIによれば、個人情報を安易にトレーニングデータとして取り込みすぎないような設計がなされているとのこと。実際にアプリの説明文にも「プライバシー」を重視している旨が明確に示されている。これは、建前として、どこでも言うような事だから、どこまでそうなのだろうか。

iOSアプリとしての独立と無償利用

当初、GrokはXの有料会員(PremiumおよびPremium+)向けに提供されていたが、2024年12月に無料版が解禁され、より多くのユーザーが試用できるようになった。その後、iOSアプリ版が2025年1月にベータ版として米国など複数国でリリースされ、X外で直接Grokにアクセスできることになっている。

無料版の概要

無償版のGrokは、Premiumユーザー向けよりも使用回数や機能の制限が若干設けられている可能性があるが、ほぼ同等のコンテンツ生成や質問応答が利用できるようだ。今後の正式版ローンチに向けて、ベータ版を通じたユーザーフィードバックを積極的に取り込み、精度や速度を改善していく方針という。

XのPremium会員のメリット

もちろん、有料プランであるPremiumあるいはPremium+に入ることで、より高い使用制限や優先的な新機能へのアクセスが得られるようになっている。たとえば、リアルタイム検索の件数無制限や、新モデルリリース時の先行利用などが含まれると見られる。これが無いと何のための課金か分からないので、何らかの違いは設定されるだろう。

高速推論と拡張性の強化

xAIは独自のInference Tech Stackを設計し、多拠点から同時に高速な推論を行えるような仕組みを整えているという。これによって世界中のユーザーが遅延を感じることなくGrokを活用できるとされ、論文の要約や長文解析など大規模タスクも今以上に快適になるらしい。

大規模投資とColossusのさらなる増強

xAIは2024年12月末に60億ドル規模のシリーズCを調達しており、NVIDIAのGPUをはじめとするハードウェアの調達やデータセンター拡張を加速化すると発表した。これにより、Grokのみならず新たな生成AIプロダクトの開発にも拍車がかかる見込みのようだ。

ユーザーインターフェースの洗練

iOS版のベータリリースを皮切りに、Android版アプリや専用ウェブサイト(grok.com)など、より幅広いユーザーがアクセスできるエコシステムの拡充が予定されているそうだ。今後は対話画面だけでなく、共同編集やマルチタスク表示など、ユーザー体験が著しく向上する追加機能にも期待が集まっている。

 Grok は、Xとの連携と最先端の大規模言語モデルにより、他に無いリアルタイム性と創造性を備えたAIサービスとして普及するのかどうか。無料プランやiOSアプリ版ベータリリースによって、誰でも手軽に試せる環境が整い始めまたから、その結果はすぐに出るだろう。

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