唐山から友人が来て花見に出かけた。出かけたのは北京の西の方の玉淵潭公園というところ。地下鉄の駅は軍事博物館だ。駅に着くと公園へのたくさんの人の列が続く。観光バスも何台も駐車して人が降りてくる。中国でも桜の花見は大きなイベントのようだ。
公園の入場料は10元。第二十回桜花文化展とある。20年前だから1989年から桜祭りをやっていることになる。89年と言えば例の事件の年である。あれは確か6月だから、第一回の直後ということだ。
桜花園の方に向かう列が続く。結構な人出だ。途中の広場で数十人が大きな音で音楽をかけてダンスをしていたり、広場に出た出店で買い物をしている。
遠くからも桜の花が咲いているのが見えた。花見の雰囲気は出ている。
日本と違うのは花見酒で宴会をしていないこと。だれもシートを敷いて座り込んでいない。これは寂しくもあるが好感も持てる。
桜はいろいろな種類が植えられている。説明の碑には1973年に日本から日中友好を記念して桜の苗木が贈られ、その後、山東省などから中国の桜も植えられたという説明があった。実は日本との関係については書かれていないのではと思っていたが、裏切られた。日本からとか書くと切り倒す人が出てくると思ったからだ。
宴会の代わりにほとんどの人は写真をとっている。カメラの台数は 日本の花見より確実に多い。
染井吉野は花の密度も高く樹形も良いので、たくさんの人を集めている。
やはり染井吉野はきれいだ。でも北海道原産の大山桜という品種もたくさんあった。日本が桜を贈る時に北京の気候を考えて北海道の桜を贈ったからだろう。
中国の人はコスプレが好きだと思う。どの観光地にも衣装を着替えて写真を撮るサービスが必ずある。この公園には和服のレンタルと写真のサービスがあった。和服のレンタルは30元、写真撮影は25元。結構たくさんの女性が変な和服を着て歩いていた。
例えば故宮では皇帝のコスプレだから、桜は日本という連想がされているということだ。先日見たインターネット調査では、日本は嫌いな国では韓国についで第二位、好きな国では、パキスタン、ロシアについで第三位なので、みんながみんな大嫌いということでもないのかもしれない。
写真、写真。写真を撮るのが花見だ。日本人は宴会、酒。
みんなすごい勢いで写真を撮る。私も負けずに。
コスプレと並んで中国の人が好きな造花。こんなところで買わなくてもと思うが買っている人が多くて、みんな抱えて歩いている。
ロウリー・ボールというのをやっていて、ボールを落とさないで踊っている。新体操と太極拳を組み合わせたようなものだ。踊りの向こうでは、ネットを張ってバトミントンのようにゲームもやっている。
このロウリー・ボールというものは初めて見た。
桜から離れて静かに過ごす人も。
北京の春は短いので桜も梅も、他の花もいっせいに咲いている。この後はすぐに夏だ。
桜の後は四葉で寿司を食べてすっかり日本人した一日。