野菜の食べ方

by Shogo

大学生の頃に実家に帰る度に、祖母が野菜を食べろと言ううるさく言っていたことを思い出す。そんなことを思い出したのは、NYTに載っていた、野菜を生で食べるか調理して食べるか、どちらが良いか、10の野菜について説明する記事を読んだからだ。

記事は、オレゴン州立大学教授のインタビューで構成されている。野菜は調理の方法によって栄養素の量が変わる。しかし、調理の熱が栄養素を破壊するだけでは無いようだ。

まず、ほうれん草については、調理した方が良いようだ。ほうれん草には、ビタミンC、マグネシウム、ビタミンB、鉄分、カルシウムなどが含まれている。調理して食べると鉄分とカルシウムの吸収率がアップするそうだ。ほうれん草に含まれているシュウ酸塩が、カルシウムや鉄と結合して吸収することを阻害するが、調理するとシュウ酸塩が除去され、影響が少なくなる。また、調理によって、ほうれん草の抗酸化力が高まるという。ただし、他の野菜と同様に、調理の熱で、ビタミンBやCのが失われる。

きのこについては、同じように調理した方が良いようだ。きのこを焼いたり電子レンジで加熱すると、抗酸化力が強まるそうだ。揚げるのも栄養価を高める良い調理方法のようだ。

ニンニクは、体には調理しないで生で食べた方が良いそうだ。スライスしたり、刻んだりすると、アリシンを含む様々な健康成分が活性化され、それをそのまま食べられれば、そのメリットを享受することができる。しかし調理するとその健康成分は不活性化される。だが、健康に良くても、生ではとても食べられないので難しそうだ。調理するにしてもスライスしたり、刻んだりすることで、アリシンはある程度維持されそうなので切って食べるのが良いと書かれているが、ニンニクを塊のまま食べる人はそうはいないであろう。

続いて、にんじんは調理して食べた方が健康に良いようだ。にんじんの赤色の抗酸化物質であるカロテノイドは、生よりも加熱した方が吸収率が高まるようだ。しかし、煮ることではカロテノイドが保存されるが、揚げるとカロテノイドは失われるという。また10分ほど蒸すか、電子レンジで加熱すると、にんじんのカリウムとナトリウムが濃縮されるそうだ。

玉ねぎも、ニンニクと同じで、調理するよりも、生の方が良いようだ。チオスルフィネートと言う化合物が含まれており、これは熱で分解されてしまうと言う。調理する場合には、茹でると他の調理方法よりも、抗酸化物質が減少することが少ないそうだ。

続いて日本ではあまり食べられていないビーツ。ビーツには硝酸塩が豊富に含まれており、血圧を下げる効果があると言う。また、抗酸化作用、抗がん作用、抗炎症作用、肝臓保護作用があるベタレインという色素化合物や、フラボノイドも含まれているそうだ。これらは、加熱してしまうと減少してしまうので、生のままが良さという。

いんげんは、調理した方が良いようだ。いんげんにはレクチンと呼ばれるタンパク質が含まれており、これが栄養素の分解と吸収を阻害する。レクチンは、消化を妨げて、吐き気、胃もたれ、下痢、ガスなどの症状を引き起こし、カルシウム、鉄、林、亜鉛などのミネラルの吸収を阻害する。茹でてレクチンを活性化すると、インゲンの栄養価をより高めることができる。また、電子レンジで加熱することやフライパンで焼くことで、抗酸化物質の効果が高まると言う調査結果もあるそうだ。

続いてセロリ。セロリこそ生で食べた方が健康に良いと固く信じていたがそうでは無いようだ。セロリには、抗酸化物質、食物繊維、葉酸、カリウム、ビタミンA、C、Kといった栄養素が含まれている。セロリは調理すると抗酸化力が上がるそうだ。調理の方法は、何でも良いと言う。調理によって失われてしまうのは食物繊維やビタミンCだけで、抗酸化作用を高めるためには調理する方が良いようだ。

続いて、ケールは生で食べた方が良いそうだ。カリフラワー、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツなどのアブラナ科の野菜と同じように、ケールにはグルコシノレートという化合物が含まれており、ケールを刻んだり、噛んだりすると、グルコシノレートがイソチオシアネートと言う新しい化合物に変換される。これが、体内で抗炎症、抗酸化、抗がんの作用を起こすことができるそうだ。これは、素晴らしい。しかし、調理の熱で、グルコシノレートが利用できなくなってしまう。

とは言うものの、ケールは硬くてなかなか生で食べられるものでもない。たまに、やわらかなケールの種類を売っているお店もあるが、どこでもあるものでないのでケールを生で食べるのは難しいかもしれない。だが、抗炎症、抗酸化、抗がんと言う効果は無視できないので、我慢して食べること言うことなのだろうか。

最後のトマトは調理して食べた方が健康効果が高いと言う。トマトに含まれているリコピンは、強力な抗酸化物質で、がんや脳卒中などのリスク軽減につながる。調理されることで、このリコピンの形が変わり、体に吸収されやすくなると言う。蒸したり、電子レンジで加熱することより抗酸化力を高めるそうだ。もちろん、他の野菜と同じように、調理することによってビタミンCが破壊されるが、その分は他の野菜からとれば良いことなので、トマトは調理して食べるのが良さそうだ。

トマトやほうれん草は調理して食べた方が体に良いと言うことを知っていたが、ニンジンやセロリは調理した方が良いと言う事は知らなかった。今回の記事でニンニク、ビーツ、ケール、玉ねぎは生で食べた方が良いと言うことを知った。しかし、ニンニクやケールは生で食べるのは難しい。ビーツは薄くスライスすれば可能かもしれない。だが、茹でたもの以外まだ食べたことがない。いちど食べてみる必要があるかもしれない

若いときには野菜を食べろと言われても、特に気にすることもなかった。歳をとると、体の衰えを感じて、健康的に食べなければいけないと言う気にもなってくる。今日読んだ記事を参考にして生のニンニクを除いて、とりあえず挑戦してみるのが良いかもしれない。

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