It’s just another day.

by Shogo

2023年を迎えた。1月1日も1年の365分の1で、特に大きな意味はない。だが、それでも年が変わると言うことに多少の感慨はある。特に自分の場合は誕生日と元旦が近いこともあり、1つまた歳をとると言う思いも同時にあるからだ。

しかし、なぜこの寒い時期に年が変わるのか。といっても南半球では真夏だが・・・。多くの文明が北半球で発達したために、この場合南半球の事はあまり考えなくても良い。

古くは4000年前の古代バビロニアでは、春分の日に続く最初の新月が新しい年の始まりだったそうだ。この時期に、春に収穫される大麦が刈り取られた。ここには、新しい命の始まりの意味がありそうだ。春が1年の始まりには感覚的には理解しやすい。

この1年の始まりは、古代ローマのジュリアス・シーザーの時代に変更された。シーザー以前のローマの暦では1年は10ヵ月と304日で構成され、春分から新年が始まっていた。しかし想像できるように、これでは太陽や季節との解離が生じる。この問題を解決するために、1年の日数を増やして365日とする現在と同じカレンダーが作られた。

その際に追加される日数は、春の前に足された。そして、1月1日を新年とした。これが、春から冬に新年の始まりの日が繰り上がった理由だそうだ。

ローマは強大であったために、それ以前に世界の多くの地域で採用されていた春から新年が始まると言うカレンダーから切り替えが行われ、シーザーの作ったユリウス暦が広まった。その後、少し改良されて、現在使われているグレゴリオ暦となるが、基本は同じだ。

この結果、年の始まりを感じられる春ではなく、暗くて寒い1日が年の始まりになったと言うことだ。だから、1月1日に大きな意味はない。暦の調整の結果と言うことになる。

日本では会計年度は4月1日に始まる。これにも大きな意味がない。明治維新を迎えて新政府が誕生した当初は10月始まりだったそうだ。その後、明治6年になって西暦を採用したので、1月始まりに変更された。しかし、これもすぐに変更になって明治8年には地租の納期にあわせるために7月始まりに変わった。

その後、松方財政で知られる松方正義大蔵卿が予算の破綻を防ぐために、明治19年の会計年度のスタート7月から4月に3ヶ月繰り上げた。これにより明治18年の会計年度は9ヶ月となり、赤字の削減に成功したそうだ。

つまり4月に新年度が始まるのは、古代の世界と同じような春分の後と言うことではなく、単純に財政のやりくりの結果だ。

そのように考えると、1月1日と言うのは本当に1年の365日の中の1日で大きな意味がないようにも思われる。

それでも年が変わると言うことで人生を考えるきっかけにはなる。1928年生まれだった亡くなった父は72歳まで生きれば21世紀を迎えるとよく話していた。実際には2012年まで存命して21世紀を充分楽しんだ。私の場合には、そのような世紀の区切りはやってこない。でも、2023年を迎えられずに亡くなった友人・知人のことを思うと幸せだ。だから、1年の始まりに多少は考えてみようか。

そんなことを考えていると、ポール・マッカートニーのAnother Dayが頭の中に響いて鳴り止まない。

It’s just another day.

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