sea vegetableとsea moss

by Shogo

アメリカで働いていた時に、勤務していたのは日米合弁企業だったが、同僚はほとんどアメリカ人だった。中には、日本に留学経験したことがある人がいて、日本文化のことがある程度わかっていた。

その頃に日本食レストランにみんなで食事に行って、海苔の話になった。その時は全員が海苔をsea weed、海の雑草と呼んだので、日本人はみんな食べているものだから、雑草ではなくsea vegetable、海の野菜と呼んでくれと言ったことがあった。

それから何十年も経って、ニューヨークタイムスにsea vegetableと言う言葉が出てきて、懐かしく思い出した。アメリカ文化もようやく論理的になったようだ。海苔は雑草ではなく、日本人が食べる、海でとれる野菜だということがようやく理解されたようだ。

その記事は、海苔一般ではなくsea mossについてだった。sea mossと言うのは初めて見る単語で調べてみると、日本ではツナマタと言う海藻の種類だった。アイリッシュモスやカラギーナンとも呼ばれ、たくさんの商品が売られている。乾燥した海藻そのもののものもあれば、水で戻してジェルになったものの瓶詰めもの商品もある。

それにしてもsea moss、つまり海の苔と言うのも首をかしげるような名前だ。単純にこれもsea vegetableの種類で良いような気もする。乾燥した商品を見ても、細い茎の海藻そのものだ。

記事によれば、カラギーナンは、食品メーカーがアイスクリーム、チョコレートミルク、クリームなどの食品の増粘剤として収穫しているそうだ。

記事になっていたのは、キム・カーダシアンなどのインフルエンサーが、健康やダイエットの一環でスムージーにして飲んでいるのTikTokに投稿して、健康食品として話題になったからだ。ダイエットの効果や腸の調子が良くなる、肌がきれいになる、免疫力が高まるなどの効果を主張する人がいるようだ。

記事の中では、医学博士が解説していた。sea mossには抗酸化作用がある物質がたくさん含まれており、細胞にダメージを与えるフリーラジカルを分解することができ、さらに、筋肉の収縮と血圧のコントロールを行うことができる必須ミネラルであるカリウムが多量に含まれていることを指摘した上で、健康に良いかどうかの研究結果のデータはないとしているとしている。

さらに博士は、野菜などを含むバランスの良い食事をしていれば、sea mossに含まれるような栄養素を全て摂取している可能性が高いことも指摘している。

つまり、健康には良いことは証明されていないがある程度は認められる。しかし、それが健康や免疫の切り札ではないということだ。それに、日本人は海苔や昆布などを普段から食べているので、アイリッシュモスとして売られているsea mossを必ずしも食べなくても良いということだろう。

それでも、この記事の中で何十年も前に主張したsea vegetableが使われていることが喜ばしい。

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