インターネットは何をもたらしたのか

by Shogo

インターネット以前には、個人が多くの人に何かを伝えるという事は難しいことでした。それが、インターネットで可能になったのです。その本質は、多くの人や企業が、一つのネットワークがつながり、フラットな関係を持つことです。

個人がメディアになる

1999年に起こった、大手電機メーカーとユーザーとの間に起こったクレーム対応の問題は、これを教えてくれました。ユーザーが、メーカーのお客様相談室の対応を録音して、音声を公開したことにより、大きな注目を集めました。

インターネット以前であれば、このような一消費者の発言は、一般に知られる事はありませんでした。このことが、巨大企業と一消費者の発言が、インターネット上では等価ということを証明しました。

トランプのツイッター

次に、本質について考えたのは、トランプ前大統領のツイッターです。アメリカ大統領は地上最高の権力者と言われます。公式の手段もたくさん持っています。しかし、トランプ前大統領が選んだのは、個人のツイッターでした。個人のアカウントから政策の発表や閣僚の罷免などを行いました。地上最高の権力者が、一般人と同じツイッターで情報を発信したのです。支持者や関心を持つ人を集め、フォロワーは8,877万人に達し、大きな影響力を持ちました。

トランプ前大統領の例からは、ソーシャルメディアの関心の結びつきの強さで、情報が増幅されることを明らかにしました。

ソーシャルメディアによるつながりの変化

スマホが普及して、ソーシャルメディア が主要なメディアになると、インターネットはより身近に、常に使われ始めました。そして、ソーシャルメディアが、現実の人間関係だけでなく、主義、主張、関心や趣味などあらゆるものを結びつけた新しい関係性をインターネット上に実現したのです。

1999年のクレーマー問題では、話題を中心にして人が集まりましたが、ソーシャルメディア 時代には、関心や人間関係によって結びついた増幅装置が話題をさらに拡散させます。もともとインターネットが持っていたシェアするという機能が、より強化されたのです。

拡散と炎上 ステマ

そこでは、フェイクニュースと呼ばれる不確かな情報や誹謗中傷が溢れたりするようになりました。企業もステルスマーケティング(ステマ)とばれるような消費者に気づかれないような広告活動を行うこともあります。

ネットの増幅機能によりマーケティングのキャンペーンを拡散させる効果がある一方、ネガティブな情報が拡散して炎上という様なことが起こるこことも稀ではありません。

インターネットは、企業や個人だけでなく、既存のメディアも飲み込んで、一つの大きな、フラットなメディアを構成しています。この世界をマーケティングの観点から見ると、メリットとデメリットが同居している状態です。インターネットを使って、企業も個人も効果的な情報発信が可能になりました。ただし、誠実でなければならないということは現実の世界と同じです。

【広島経済レポート寄稿文】

寄稿文一覧へ

You may also like

Leave a Comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください