運動は朝するのが良いのか、夕方にするのが良いのか、この問題について、以前より議論がある。参考になるような、運動の時間帯による効果の違いを調査した研究が発表された。ネズミを使った実験なのでどこまで、人間にも適用できるか不明だが、手がかりにはなる調査だ。その結論は、朝の運動は脂肪を燃焼させ、夕方の運動は血糖値を下げる。
この研究は、Cell Metabolism と言う代謝研究の雑誌に発表されたものだ。この記事では、研究者は、オスのネズミを使った実験を行なっている。ネズミは夜行性なので、彼らの活動が始まる早い時間、つまり人間にとっての朝に運動させるグループと、睡眠により近い時間帯、つまり人間にとっての夕方、さらにコントロールグループとして運動させず、静かにしているグループの3つのグループに分けて研究を行った。
この3グループのネズミから、筋肉、肝臓、心臓、脳、白色脂肪、褐色脂肪、血液のサンプルを採取して分析した。その結果は、早い時間帯に運動したネズミは、内臓や筋肉に脂肪減少などの変化が現れた。しかし遅い時間帯の運動や運動しなかったグループにはその変化は見られない。このことから、早い時間帯に運動行うと、体の脂肪燃焼し、筋肉や内臓に変化が起こると言うことがわかった。
この研究結果から、ダイエットのために運動するのであれば、朝行う方が良い可能性が高い。しかしながら、いくつかの点でこの研究には限界がある。まず、この調査はネズミを使った実験で人間ではない。さらにオスのネズミを使っているために、これが男女の違いがあるのかどうかわからない。そして、朝型人間とか夜型人間とか、生活時間のパターンにより違いがあるのかわからない。また今回の調査では、ネズミをホイールを走らせると言う有酸素運動なので、他の運動にも当てはまるかどうかはわからない。
いくつかの点で、調査結果にコメントはつくが、体のメカニズムとして参考になる調査である事は間違いない。それに感覚的にも、朝に運動すると脂肪燃焼させ、夕方に運動させると血糖値を下げると言うのも受け入れやすい。
個人的にはいつも朝散歩しているので、この調査の結果からその日課が正当化されてハッピーだ。