運動心理学

by Shogo

運動には、苦痛が必要なのかと言う運動心理学の記事を読んだ。

心理学は様々な分野があるようで、個人的には仕事の関係で、認知心理学や社会心理学について本を読んだりしてきているが、運動心理学は聞いたことがなかった。

運動が健康に良い事は疑う余地がない。しかし、No Pain No Gainと言う言葉があるように、肉体的かつ精神的苦痛を伴うものでないと効果はないと思い込んでいる。だから、肉体的・精神的苦痛を避けたくて、ジムから足が遠のいて10年以上になる。筋肉に負荷をかけたり、長い間走ったり、自転車をこいでするというのは、苦行と思ってやっていた。時間がないと言うことを理由にして、楽しいことでもないのでやめてしまったと言うことなのだろう。

それでも、健康に運動は必要と意識しているので、一般的に推奨されている週150分程度の適度な運動は、ゆっくりの散歩で行っている。それも、時間があることと、スピードを上げたジョギングのように苦痛を感じるようなことがない、ゆっくりの散歩だからできていることだ。

しかし、運動心理学者によれば、激しい運動をする人は、運動中は不快に感じていても、運動終了後には、最高の気分になっていると言うことだ。運動直後は苦痛なことをやめた心地よさがあるのか、あるいは脳にエンドルフィンを生成して、ポジティブな気分になるのか、理由はどちらにせよ気分がよくなる人が多く、そのために運動が続けられると言うことのようだ。

これは多くの運動家に当てはまるのかのかもしれないが、個人的に当てはまらない。まず、その運動中の苦痛を避けたいと思う。運動心理学者によれば、これは一般的なことで、長く運動を続けたいと思えば、苦痛に耐えて、後で心地よさを味わうよりも、運動中の不快感を感じないような努力が長続きするコツだと言うことだ。言うのは簡単でもこれは難しい。

一般的に人間は快楽を追求して苦痛を避ける傾向がある。しかし、反面では、辛い山登りをしたり、高熱のサウナに入ったりするような苦痛に感じるようなことも行うと言う矛盾もある。確かに山に登ると、特に厳しい坂道が続く時などは、かなりの苦痛に感じることもある。それでも終わった後は爽快に感じるものだ。

運動心理学者によれば、その運動中の苦痛は、日頃感じていることから、一時的に人間を解放する効果があるのだと言う。苦痛を感じながらも、運動することをやめない人は、運動することの、そのような価値を理解し、苦痛に耐える努力をすることに喜びを見いだすと言うことらしい。だが、この努力することに喜びを見出す人の割合はかなり低いだろうと言うのが私の考えだ。

別の運動科学者によれば、トップアスリートでも練習中に100%で自分を追い込んでいるわけではないと言う。ここでも20/80の法則で80%は無理のない範囲で行い、残りの20%を全力で練習すると言うことだ。これも、トップアスリートですら、長期の苦痛を続けることはできないと言うことになり、また、同時に苦痛を感じるほどに少しは(20%)は自分を追い込まないと、トップアスリートにはなれないと言うことだ。

運動心理学者によれば、運動を長く続けるには、苦痛か快楽ではなく、どちらも必要だと言う。楽に運動をしながらも、多少の苦痛の価値を理解して、耐える努力を学ばなければいけないそうだ。

激しい運動を避けて、ダラダラと歩くことしかしていないが、やはり多少は運動の苦痛に耐えるような努力も必要なのかもしれない。その意味では、山登りの回数を増やすのが良いのだが、一人で山に登るのも気が進まないので、他の方法も考えるべきなのだろう。

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