まだまだ続く貴州旅行。肇興のホテルは村のはずれに建っていて、玄関を出て左は村の中心方向だが、右に行くとすぐに田が広がる。その田は谷間ををずっと続き山の斜面まで登って棚田になっている。3月の末なので田植えに備えて田には水がはられている。
畦道を歩いて振り返ると、建築規制のせいか調和のとれた同じような建物が並ぶ景色が美しい。どこか日本の田舎の景色のようにも見える。ホテルは近代的なシャワーやベッドの設備があるが、他の建物と調和が取れたというか同じような外見に建てられている。
11月8日はJF Kennedyが大統領に当選した日だそうだ。 今からちょうど50年前、1960年のことだ。今週たまたまみつけた写真を見ると、彼のカリスマ性と当時の熱狂とを窺い知ることができる。実際はわずかな差でニクソンに勝ったため開票結果の判明は未明までかかったことを知ってはいるが、写真で見るJFKは、まだ選挙期間中だが、まるで選挙に勝ったかのようだ。
JFKが暗殺された日のことを覚えているような気がするが、それは自分で作った記憶なのだろう。子供のころ、彼の伝記を読んであこがれていたので様々な記録も読んだり見たりしたことと、叔父が当日の新聞を持っていて何度も見たから、それが原因かもしれない。テキサスには何度も行ったが、ダラスにやっと行けたのは2006年だから4年前。今は博物館になっている、オズワルドがそこから撃ったという教科書ビルのその窓から、道路に書かれた白いXを見ると感慨深いものがあった。JFKが身近だったから、まるで自分の歴史を見るような気がした。その写真もあるはずだが、どこかのDVDで見つけられない。この「事実」も今では疑問符がつき、有名な「魔法の弾丸」のようにこじつけや不明のことが多く、真実はまだ明かされていない。だからこそ、今でも興味は尽きないという面もある。
JFKについては様々な事実が明らかになって多くの神話が覆されたりしてはいるが、個人的には、それによってJFKという人間の魅力は増したが決して損なわれてはいない。
そんな話より、この写真。 その場にいなければ撮れないとは言え、この場所でこのアングルで撮ったのはすごいと思う。ストロボは使っていないようなので、そこそこ明るいが、シャッタースピードが遅くしなければいけなかったようで、それが被写体ブレを起こして、この場の熱狂をよく伝えている。
先週の自分のつたない写真と比べても栓ないが、どんどん高精細とか緻密さとか画像に心が行ってしまうが、場の雰囲気とか何かを伝えるということは、鮮明さとかは関係ないということなのだろう。 写真は被写体が無いと撮れないが、でもどのようにどの構図で撮るかがすべてだ。