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北京に赴任した2007年はオリンピックに向けた都市改造の真っ最中だった。北京の都市整備に邦貨にして6兆円近くの資金が投じられたそうだ。これには国や市の政府の資金に民間の資本も含まれているのかもしれない。2007年には普通の住居エリアだった王府井の協和病院の北側は2008年に入って解体が始まった。最初の胡同の写真は、2008年4月。
土地は国有だが土地の使用権が認められる様になったので、中国特に北京では不動産開発が盛んになった。住居の使用権を買い集め、大規模な開発を行う。バブル期の日本の地上げとまったく同じ仕組みだ。使用権を買い上げ、借家人がいれば立ち退き料を払って、跡地を開発する。問題は借家人で近所に同じような条件で住居をも見つけるのが難しく、郊外に引っ越して行くようだ。
2008年4月には、すでにほとんどの住民は転居して解体工事が始まっている。
2009年3月
この二枚はほぼ一年後の2009年に、同じ場所を撮ったもの、すでに更地になって道路から見えないように壁が出来ている。壁はオリンピック前に出来ていたのかも知れない。
2008年4月。最初と同じ日に撮った写真。
2009年3月
正確に同じ場所で撮っていないし、カメラも違うので画角が違うので同じようには比べられないが雰囲気は分かるだろう。
土地の使用権の売買の許可と北京の発展は両輪となり、不動産の開発会社は雨後の竹の子のように増え、20年前の数十杯の数になっているそうだ。また同じような名前を持ったコンプレックスがあちこちに見られ、大手は北京のあちこちで同時にいくつも物件を手がけているようだ。