労働人民文化宮にある太廟

by Shogo

タイトルの「労働人民文化宮にある太廟」は、現在の地理的な記述としては正しいのだが、歴史的な事実からすると少し混乱する。明や清の時代の皇帝が先祖を祀る太廟のある場所が、中華人民共和国建国後に労働人民文化宮という公園になったからだ。しかも現在では、太廟は全体の一部の神殿周辺のみをさすが、かつては公園になっているこの全体が太廟だった。

太廟は天安門の東側にあり、皇帝の先祖のための施設である。天安門の反対の西側には皇帝が五穀豊穣を神に祈った祭壇があり、現在は孫文にちなんで中山公園となっている。

天安門や故宮、その西の中山公園はかなりの人出で賑わっていても、すぐそばのこの公園は静かだ。それは、公園の中心に太廟があり、それが皇帝が先祖のために儀式を行った場所だというだけで、特に見るべきものはない。故宮にあるような建物や門があるだけだ。

古来より、皇帝の宮廷には必ず先祖を祀る場所と五穀豊穣を祈る場所が、皇帝から見て左に先祖の施設、右に五穀豊穣の祭壇というように必ず作られてきたそうだ。太廟の中の説明にそうあった。だから、この場所もかつては故宮だったということだ。

この公園の入場料は2元、さらに太廟の中に入るためには10元が必要だ。太廟の前にある広場までは2元の入場料だけで来れる。作りは故宮と同じように風水の考え方によって、太廟の南側に川が流れていて橋を渡って太廟に行くようになっている。

公園には、労働人民文化宮になった際に労働者のトレーニング機関や文化施設などが作られたそうだが、現在では文化や教育関連であれば一般の会社も公園の中にある建物にオフィスを借りられるそうだ。

この公園の東側には、南池子大街さらにその北側に北池子大街という通りがあり、私の好きな場所である。観光地に近いが一般の人の暮らしも見ることができ、特に夏にはアカシアのトンネルの下を通る道で散歩にぴったりなのだ。

結局、周辺に夜までいた。タクシーを捜して歩いていたら故宮の東華門まで出た。オリンピック前に工事が行われているのを見かけたが、ライトアップされるようになったようだ。夜は暗い、このあたりで光に浮かび上がっているのが見えた。

東華門

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