先日行った「播家園旧貨市場」にも結構家具がたくさん売られていたのだが、もっと家具を見るために、「高碑店古典家具街」という場所に行った。場所は北京の中心から東、四環路(第四環状高速道)と五環路の間。地下鉄の1号線の終点から八通線という電車に乗り換えて1つめの駅が高碑店(ガオ ベイ ディエン)だ。駅からの距離が分からないし、そのあたりでタクシーが拾えるかどうか分からなかったので、初めからタクシーで行くことにした。
国貿のエリアからタクシーで30分弱、料金して25元程度で、「高碑店古典家具街街」の門のある場所まできた。その門から、1.5kmにわたって両側に家具屋が並ぶ。それこそ無数の家具店が並ぶ。面白いのはほんのわずかに飲食店がある以外は、すべて家具店。家具店といっても、やや専門的にインテリアだったり、漆器だったり、チベット家具専門だったりする。先日、播家園でも見かけたが、チベット家具専門店は結構あって人気に高さを思わせる。
チベット風の家具は、黄色、赤、緑など独特の色使いと模様が楽しい。沢山売られているの需要のある証拠だろう。みんな古典家具風だが、実際はあたらしく、アンティーク風に作ったものだと思われる。小さな横町がいくつもあり、その奥には家具を製造する工場もたくさんあるようだ。
中には、数は少ないが、新品の家具を売る店も。中華テイストでモダンな家具も並べられていて、こちらも面白かった。
本物の黄花梨の家具なら途轍もない値段だそうだ。黄花梨の材料はすでに手に入らなくなっており、明朝や清朝の本物のアンティークなら何百万円もすると家具に詳しい友人も言っていた。そんな家具を置いているような店構えには見えないが、看板にはそうある。黄花梨風の家具ということかも。
多くの家具は、播家園でも売られているものと同じく、新しく作られたものだが土の中にしばらく埋めておいたとか古びる作業を行ったもののようだ。結構立派な、小さな引き出しのたくさんついた薬棚が600元(9000円程度)なので、アンティークのはずがない。加工したレプリカなのだろう。それが証拠に引き出しを引っ張り出したら、接着剤で貼られていた。初めからアンティーク風とか言えば良いと思うのだが。ここでは、アンティークと言われても信じるほうが悪いので、商人は疑ってかかるのが当たり前かもしれない。
それでもいくつかのお店ではしっかりした材質のテーブルといすのセットが数万円から数十万円のものまで売られているので、すべてが偽物か、あるいは偽物でもそれなりに使用価値のあるものもあるようだ。
それにしても週末というのに、どこも客の姿が見えず、誰がいつ、買いにくるのだろう。播家園のように観光客が小物を買うというのではないので、観光客相手の商売ではないのだから。
インテリアの小物やチベット家具の小物もたくさん売られているので、観光にも面白いかもしれない。インテリア小物も本物らしきものもあり、小さな置物が数万円から数十万円もするが、中にはなかなか魅力的なものもあった。今回は何も買い物をせずに、街を後にした。入り口の門のあたりまで戻るとタクシーもすぐに捕まった。街を往復歩いたので、歩行距離は3km。