バルセロナに行く事はしばらく前から考えていた。バルセロナは新婚旅行での重要な目的地であった。新婚旅行にどこに行くかという話の中で、妻の主張するスペインと私の主張するイタリアを調整するために、スペインではバルセロナに行くことと、スペイン旅行の帰りにミラノに寄ることで妥協したのだった。
旅行は、バルセロナに3泊した後、スペイン南部の各都市を一週間かけてバス旅行した。バス旅行の終着地のマドリードで2泊して、そこからミラノへ行き、5泊した後で東京へ戻った。当時としては異常に長い20日間の休みを取った。
当時はヨーロッパ便はアンカレッジで給油した。寒いトンネルを歩いて、ターミナルに行きうどんを食べたことを覚えている。私たちの飛行機は、その後コペンハーゲンに着いて、1日滞在した後、飛行機を乗り換えてバルセロナに着いた。
スペインの旅行は妻の希望であったが、個人的にもサグラダファミリアを見てみたいと思っていた。だから、バルセロナは旅行の最初のハイライトだった。それで、2015年に結婚30周年を迎えるにあたって、バルセロナをもう一度訪れようと計画をしていたのだった。しかしながら、その前年からラグビーワールドカップの仕事をすることになり、結婚30周年記念日のある10月はロンドンにずっと滞在することとなった。このために結婚30周年記念のバルセロナ旅行は、翌年に変更となった。
バルセロナには、その新婚旅行の4年後にまた2人で行っていたので、実際には31年ぶりではなく、27年ぶりのバルセロナだ。驚いたことにサグラダファミリア教会は、ほぼ完成に近かった。100年かかると言われていたのが、コンピューター技術の進化によって急速に建築が進んだそうだ。最初と2回目に見た時お工事現場の雰囲気は消え、きれいな教会になっていることに驚いた。当然のことながら27年の歳月は伊達には流れていなかったようだ。
新婚旅行時はバス旅行に参加したが、これはスペインの旅行社が主催したものだった。参加者は、南米からの観光客が10人程度バスで一緒に旅行した。バルセロナから、バレンシア、アリカンテ、コルドバ、グラナダ、セビリアなどのいくつかの都市を一週間かけて訪問して最後はマドリッドにたどり着く。これが各都市一泊なので非常に慌ただしい。しかもスペインの、夕食は夜の8時過ぎからとなるため部屋に帰ると真夜中近くで翌朝出発と言う大変疲れる旅行であった。当時はまだ20代で若かったから良いものの、結婚30年を過ぎてそのような旅行ができない。
このバス旅行に参加したブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンの人とは長い間、クリスマスカードを交換していた。多くは、その後途絶えてしまった。一つはメリーランドの大学に留学したり、ニューヨークに赴任したこともある。多くは高齢者だったからかもしれない。ただ、最も若くて一人で参加していたジアニというブラジル人の女性とはニューヨークからもカードを送っていた。そのために、1992年にブラジルで世界環境会議があった時に、出張で行ってサンパウロで会った。まだ、彼女は独身で若々しかった。しかし、その後、彼女とのやり取りも絶えてしまったことが残念だ。私たちが、引越しを何度もして住所を連絡しなかったからだ。
というようなことも思い出しながら、バルセロナの滞在だ。1週間滞在するので、最初の2回よりも十分な時間がある。