インターネット広告の成長

by Shogo

日本のインターネット広告費は、2020年にはマス4媒体とほぼ規模の2兆2,290億円に達しました。この成長要因は、以下の3点が考えられます。

①スマホの普及とともに、メディア接触が、さらにインターネットに移ったこと

②クッキーと呼ばれる技術などを使って、「Web行動データ」「位置情報データ」「購買データ」などを収集・分析して、見込度の高いターゲットに対して広告を配信できること

③ユーザーの情報をデータベース化しているため、リアルタイムで広告購入・配信が可能なため、効果を確認しながら計画の修正が可能なこと

しかし、この成長の要因となった、ユーザーを追跡するクッキーなどの技術とその利用方法について社会からの懸念が高まってきています。

クッキーとプライバシー

クッキーとは、閲覧ソフトに保存するテキストファイルです。この情報により、閲覧履歴の分析が可能になります。訪問したページなど、さまざまな情報が保存され、広告配信に利用されてきました。特に、第三者クッキーと呼ばれるサイトを跨いだクッキーは、広告配信に有用な反面、ユーザーの行動を追跡しているため、プライバシーへの懸念の声が以前よりありました。ユーザーの同意を得ずに、SNSなどのプラットフォーム企業が、属性や行動履歴を広告配信に利用して利益を上げていることが問題視されるようになったのです。

    このため、閲覧ソフトのSafariやFirefoxは、ユーザーを追跡する第三者クッキーについては、すでにブロックしています。最大のシェアを持つChromeを開発するGoogleも2023年以降は使用停止することを決めました。

    また、iPhone の2021年4月にリリースされたiOS14.5以降では、アプリによるプライバシー情報の利用にユーザーの同意が必要になりました。この結果、約8割が同意しなかったと言われています。

    改正個人情報保護法

    今までは、クッキーは、個人情報とされていませんでした。しかし、2022年4月から施行される改正個人情報保護法では、「個人関連情報」として保護が強化されます。クッキーのように他の情報と照合することにより、個人が特定できる情報も、「個人関連情報」として、本人の同意なく第三者は利用できなくなります。このため、閲覧ソフトの仕様に関わらず、第三者が本人の同意なく広告の配信に利用できなくなります。

    インターネット広告の今後

    第三者クッキーを始めとする追跡技術が制限され、インターネット広告のターゲティングの精度に影響が出始めています。見込み度の高い消費者を発見し、「刈り取る」ことで成長したインターンネット広告の今後はやや不透明です。しかし、個人のプライバシーと広告の効率を両立できる新しい技術について、個人を特性せず、グループとして、ターゲットの興味・関心を把握する方法などの構想が発表されています。今後、クッキーに代わる新しいターゲッティングの方法が登場するでしょう。また、行動履歴などの同意の取れた個人情報だけ使っての配信や、AI技術を使って、自社の商品・サービスと関連の深いウエブページにのみ広告を配信する方法も利用されてゆくでしょう。

    企業としては、強化される改正個人情報保護法を遵守しつつ、顧客の同意を得て、自ら顧客データベースを作り、コミュニケーションすることや、新規客獲得については、マスメディアも併用するプロモーションを行ってゆくべきです。

    【広島経済レポート寄稿文】

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