六本木から畠山直哉展まで

by Shogo

昨日より寒さを感じるようになった。本格的な冬だ。もうすぐ12月だから当然だ。それよりも昨日からめまいがするが睡眠不足のせいだろうか。今朝も結局、5時過ぎに起こされてしまい、毎日十分な睡眠とは言えない。エルは昼間も寝ているし、起きたと言ってもすぐにまた寝ているので睡眠は十分だろう。

先日の続きの散歩の話。六本木を出たときは恵比寿まで行こうと決めていたわけではないが、とりあえず西麻布まで行ってみようとした。途中で思ったのは、そこから西麻布にあるギャラリーでも覗こうかということ。西麻布に着く頃には、写真から連想して、畠山直哉展を見に行こうかと思い始めた。

畠山直哉さんの撮る写真は渋谷川だったり、石灰岩の爆発だったり、古い工場の破壊だったりという印象で、特に見に行きたいとは思っていなかったが、見に行った数人の友人から良いとすすめられていたのだった。それで時間もあるし、散歩のついでということで行き先は恵比寿になったのだが、広尾まで行って地下鉄と考えて広尾でしばらく休んだら元気になったこともあり、歩いて行こうと決めた。この辺りも自転車で走り回ったことがあり、広尾と恵比寿は意外に距離がないことも知っていた。

ということで写真美術館について畠山直哉展「Natural Stories ナチュラル・ストーリーズ」を見たわけだ。全く期待しないで行ったのだが、これがすごい。あまり好きではない被写体によったドキュメンタリーの写真かと思っていたが、そうでもない。でも物の持つ力は大きく、何でもない岩や山が圧倒的な存在感だ。つまりそのように撮れるということなのだろう。

陸前高田市のご出身ということで地震後の故郷の姿の写真の展示と、地震の前に撮られた故郷の写真がディスプレイでスライドショーされる展示が行われていた。地震後の写真は、こういうと不謹慎だが見慣れた良くある地震の写真だが、同じ場所に展示された、今は失われた景色のスライドショーと見比べていると、失われたものの大きさが身にしみて感じられる。これも写真の力だと思う。そして何より、これが無ければ発表されなかったかもしれない地震前の写真が美しい。

しばらく前に本も読んでいたので 畠山直哉さんのやっていることは知っているつもりだったし、近代美術館で渋谷川のシリーズも見ていたが、結局は作品をちゃんとみなければ何も知らなかったと改めて気がついた。

でも、タイトルの「Natural Stories」はいかがなものか。Stories of the natureならまだ分かるのだが。

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