法源寺は唐の時代に創建された古刹だそうだ。北京の中心からは南西の方向にある。唐の時代にはこの現在の北京の南西部が、当時の北京の街だった。北京の中心がほぼ現在の場所に移ったのは、元が「大都」という都市を建設してからだ。
週末でも人影もあまりないような静かな寺で、のんびりと散歩するのに良い。周辺は牛街と呼ばれるイスラム系住民の街で、北京で一番古いイスラム礼拝堂もある。よく散歩している北京の南のあたりからは隣町という感じで牛街まで足を伸ばすこともある。
法源寺の周辺の住民はイスラム系が多く、ドアなどが緑色に塗られているいる家が多く、そういう普通の住宅街の中にある。洗濯物が干してある家が並び、1300年の歴史を誇るというような感じは全くしない。
4月の最初の週末は、何日も青空が続いて写真を撮りながらの散歩にちょうど良かったが、 その後、天気はあまり良くない。特にこの1週間ほどは霧に包まれた日が続いている。どうも北京には天気の中間があまりなく、真っ青な空か、霧で見通しの良くない日かのどちらかしかない。何度も書いているが、この霧がスモッグや大気汚染と関係があるのかどうか知らない。
数日前に午前の霧が午後になって晴れた日があり、真っ青な青空に変わった。その後、空を見ると遠くの東の低い空がほんの少しグレーに変わったかと思うと10分くらいでどんどんこの霧が空を覆い、また午前中と同じくらい見通しの悪い霧の日に戻ったということがあった。私のオフィスは北京の東の端にあるので霧が街を覆う過程を見ていると、街から発生するスモッグが霧の原因という訳でもなさそうだ。これが何かを証明するのではないが、街の中心から発生するスモッグや大気汚染のために空が汚いということでもなさそうだ。
三方が山に囲まれた盆地のような地形や海との距離、この地方の天候など色々な要因が関係するのだろう。もちろん、その要因の一つは大気汚染だろう。そもそも、北京という街が造られたのは、空気が乾燥して砂漠のような中国の東北部にあって、比較的に降雨量が多いということも理由の一つになっているようだ。多いといっても、それは東京の三分の一以下なのだが、水の貴重なこの地方では重要な要素であったのだろう。霧の発生もこの降雨量の多いことや北京周辺の地形が関係しているのかも知れない。