トイレの鏡の広告

by Shogo

寒さは続いており、土曜日の朝は起きた時点の気温は、マイナス12度だった。予報では日中は0度くらいまで上がるようなので、昨日よりは暖かい。昨夜も寒かったので、タクシーの利用が多いのかタクシーが捕まらず苦労した。

これは、あるレストランで見かけたトイレの鏡の広告。かなり鮮明な広告が鏡の中を移動している。手を洗う際に必ず鏡の方向を見るし、イメージが移動したり変わったりするので興味を引く。

イメージの鮮明さにしばらく見とれていた。あまりにきれい広告が表示されるので、この鏡を設置する費用はかなりの額ではないだろうか。どれだけ広告をとればこの費用が回収できるのだろうかとか考え始めた。

ただし、広告となるとトイレという場所によって広告主が限定されるだろう。例えば食品メーカーなどは、このトイレの広告を望まないかも知れない。 洗面所でよく使われるような化粧品メーカーは、良い広告チャンスと思うだろうか。因みに写真に「女」と表示されているが、女性用トイレで撮影したのではなく、手を洗う場所のみ男女兼用のトイレで撮影した。

レストランを限ってみれば、富裕層にリーチできる広告スペースになるが、あくまでもレストランなので予想される人数にはあくまでも限りがある。この撮影をしたレストランは、私が行くようなところだから、そう高級という訳でもない。なので超富裕層ターゲットという訳でもないようだ。ただ、かなり大きなレストランだったので、小さなレストランに比べると人数は見込める。まずは、接触可能人数が大きくなるレストランを中心に設置を始めているのだろうか。

トイレの鏡の広告に注目するのは、先例があるからだ。Focus mediaという会社は、広告分野で初めてアメリカのNASDAQに上場した会社で、現在では上場で得た資金を使って広告会社やインターネット広告会社を買収し巨大広告・メディア会社に成長している。この会社が最初に始めたのが、エレベーター・ホールにモニターを設置し、そこに広告を入れるというビジネス。現在でも、このビジネスは、中国のほとんどの大都市のほとんどのオフィスビルやショッピングセンターなどに数多くのモニターを持ち、この広告収入はかなりの数字となっている。

中国の少し古いオフィスビルは、どこのエレベーター台数が少なく、朝晩はかなり待たされる。このため、広告接触の機会は多い。また、通常のテレビは貧富の差のかなり大きい視聴者を対象にしているため、広告主にとって無駄な視聴者も含む効率の悪い、つまり結果的に高い広告となっている。しかし、このオフィス・ビルのエレベーター広告は収入がかなり高い都市のホワイトカラーをターゲットとするために効率が良いとも言える。

中国の広告主はこのエレベーター広告を積極的に利用しているし、現在では欧米や日系の広告主も、その広告をよく見かけるので、中国におけるマーケティングに重要な広告メディアになっている。

Focus Media の成功事例を考えると、このトイレの広告もキワモノとして馬鹿にできない。

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