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先日見かけた金魚売り。北京では色々なものを行商しているひとを良く見かける。野菜や果物は当たり前。ちょっと珍しいのは練炭売り。でも燃料事情を少し考えれば不思議ではない。大きな菊の鉢植えをリヤカーに乗せて自転車で引っ張って売っているのは驚いた。
でも一番はこれ金魚売り。しかも真冬だ。水が凍っているほど寒い日に金魚を売って誰が買うのだろうか。
北京に行商が多いのには訳があって、清朝の時代に国民皆兵制の支配階級の満州族は子弟が繁華街や商店街に近づいて堕落するのを恐れたため、商人はすべて外城の外に住まわせたそうだ。このため商人は行商して、外城の中の家まで直接売りに行った。基本的には全ての商いは行商として行われていたそうだ。だから今でも行商する人が多いのかもしれない。零細な商売が多くて店を持てないという理由が一番ではあろうが。
歴史的に人工的に皇帝によって作られた街である北京の中に繁華街や商店街は無く、現在の王府井も、今の東方新天地の南側に1900年代の初めに外国租界が出来た後に、そこに住む外国人向けに東安市場が出来たところから始まったらしい。これが北京の初めての商店街だったようだ。