世界経済フォーラム(the World Economic Forum)が今年もThe Global Competitiveness Report 2007-2008を発表した。日本は昨年の5位から3つランクを下げて8位となった。スゥエーデンは9位から4位に上昇、ドイツは7位から5位、シンガポールは8位から7位と順位を上げた。イギリスは前年の2位から大きく順位を下げて9位。日本はシンガポールに抜かれたためにアジアでは第2位。
1.US 5.67
2.Switzerland 5.62
3.Denmark 5.55
4.Sweden 5.54
5.Germany 5.51
6.Finland 5.49
7.Singapore 5.45
8.Japan 5.43
9.UK 5.41
10.Netherlands 5.40
14. Taiwan 5.25
34. China 4.57 数字はscore
中国は昨年同様の34位、台湾は1つ順位を下げて13位。競争力という割りにスイスなどが高く、中国が低いような気がするが、それは評価基準が12あり、政府、インフラ、経済の安定性、基本的な教育、技術対応、高度な教育とトレーニング、金融市場、市場のサイズなどの評価基準があるためだ。経済の分野だけでなく、インフラや国民の健康や教育程度、市場の整備などから評価される。
調査は公的なデータと11000人のビジネスマンのアンケートから成り立っているため、ある部分、人気投票的な要素があるのだろう。
また、中国の順位に関しても、中国経済の国境を超える部分については評価できない。順位を上げたシンガポールはある意味、華人国家でその経済力、国力は中国経済と結びついている部分がある。ある国の経済力を考えるときに、必ずしもその国の国民の教育程度やトレーニングを前提としない。最も効率的な労働力を海外に求めることの方が多いからだ。
中国経済は、海外の華人・華僑の経済活動と結びついているという。中国本土以外の華僑・華人人口の合計は、台湾・香港・マカオに2,700万人、その他世界に2,300万人いるといわれている。シンガポールは人口こそ少ないが華僑・華人人口は多く、インドネシアが600万人、マレーシアの453万人、タイの450万人が華人・華僑人口だ。
今回のランキングでは、マレーシアが21位、タイが28位、インドネシアは54位。勿論、これらの国の全ての経済活動が、華僑・華人関連ではない。ただし、ごく一部とは言え、中国本土の経済活動と何らかの形で結びついていることは想像に難くない。
アジア開発銀行が先日発表した『2007アジア発展展望更新』報告では中国経済の2007年の成長率は11.2%となり、10%という予測値をはるかに上回る見込みだとしている。世界経済フォーラムの評価の方法がどうあれ、毎年10%近い経済成長が続くと、中国が順位を上げてくる日はそう遠くないと考えられる。
The Global Competitiveness Report 2007-2008
http://www.weforum.org/en/initiatives/gcp/Global%20Competitiveness%20Report/index.htm
Global Competitiveness Report 2007-2008 (Global Competitiveness Report)
- 作者:
- 出版社/メーカー: Palgrave Macmillan
- 発売日: 2007/11/07
- メディア: ペーパーバック