世界での新型コロナウイルスの感染者は、現時点でも衰えるところを知らない。10月8日の新規感染者は1日で33万人を超え、まだまだ増加傾向だ。死亡者もすでに105万人を超えている。WHOによれば世界の人口のおよそ1割が既に感染したと言うことだ。
日本でも東京都の感染者数は1日で200人を超えることも多く、収束は見えていない。唯一救われるのは感染者は増加しているが、死亡者があまり増えないことだ。
コロナ禍の状況が7ヶ月以上も続き、経済的な影響も深刻になりつつある。先日発表された失業率は3%を超えている。
また、政府が8月に発表した4~6月期のGDPは、物価変動の影響を除く実質ベースで、前期比7.8%減となったということだ。これは、年率換算すれば27.8%減で史上最悪だ。
三菱総合研究所は8月の時点で下記のようなレポートを発表している。
コロナ禍による失業や所得減の影響は、非正規雇用や低所得層に集中しており、コロナ前からの雇用・所得格差がさらに広がったとみられる。当社が7月下旬に実施した生活者5,000人調査によると、低所得層ほどコロナ禍での収入減少率が大きい。所得が減少した世帯では、1年後、2年後の収入も引き続き減少すると見込んでおり、コロナ禍の長期化・深刻化による収入減少世帯の拡大は、消費の下振れ要因となる。
三菱総合研究所
今後のコロナウィルスの感染状況のいかんによってはますます悪化する可能性もある。
この環境下で多くの企業が資金の調達に追われている。数日前のANAの従業員の年収3割カットと言うのは、経済的な危機が直接理解される形に提示されている。その深刻さが肌で金感じられるニュースとなった。
世界的に見ても航空業界は危機にある。各国の政府も航空会社の支援を打ち出しているが、今の世界的な
感染症の状況では展望が開けない。
そんな中で明るいニュースは企業の倒産件数がこの30年で最低になっていると言うことだ。営業自粛や失業率など悪い材料ばかりで倒産がもっと多いと想像していたので、ちょっと救われた気がする。
2020年度上半期(4-9月)の全国企業倒産(負債額1000万円以上)は、件数が3858件(前年同期比9.3%減)、負債総額は5991億1900万円(同0.7%増)だった。件数は、年度上半期の3000件台は1990年同期(3070件)以来、31年ぶり。1991年同期以降の30年間では最少を記録した。5月に新型コロナ感染拡大で裁判所の一部業務が縮小したほか、政府、自治体の緊急避難的な資金繰り支援が奏功、倒産は低水準で推移した。
東京商工リサーチ
トランプ大統領周辺で既に20人を超える感染者が発生し、問題になっている。これは連邦判事の任命に関する集まりに誰もマスクを着用せずに集まったりするような愚かな振る舞いによるものなので、例外的なものだ。
感染しても死亡者が増えないような状況になるのであれば、今までのインフルエンザと同じなのでマスク着用、手洗い、うがい、三密回避など感染を避ける行動をとると言うことで乗り切っていける。ただこれは日本の状況で世界的に見るとまだまだ危機的な状況にある事は事実。1日も早いワクチンの完成と収束を祈るのみだ。